第823回 ホンマは 私の娘よ

 平成20年10月 30日 〜


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。

こんな話を 読みました。

もうずっと昔のことでしょうが、法座によく参拝される 
100歳を超す おばあさんのことです。

どういうご縁で お聴聞されるようになったのですかと 聞くと。
自分は 神道の氏子の家に生まれて 18歳で真宗の家に嫁いできました。

嫁となった初めての朝、姑につれられて仏壇というものに初めて参りました。
お給仕とお礼を終わって 姑さんはこういわれました。

この如来さまは ここの家の親方さんだよ。
私や父さんには孝行せんでもええから、この親方さんだけは大切にしておくれ、
それからナ、あんたは ホンマは 私の娘だよ!


といいます。私は驚きました。

ホンマはわしの娘じゃが、この親さまは慈悲深いお方で、
最初から母子が一緒におると気ままがでるから、里のお母さんの
お腹をかりて生んで育てていただいたのだよ、

お前は私のいうことがよく分らんだろうが、これからお寺にまいって
お念仏を聞かして頂いたら、ほんとうの深い母子の縁ということが
分からせてもらえるからね。

これからおまいりしようね。といわれたのです。


狐につままれたような気持でしたが、母につれられてお念仏きかして
いただくようになって、生んだ親だけが親でない。

久遠の親さま、生みの親
 縁につながった親、ということを分からしてもらい。
人生の深い縁ということを知りました。

それから 80年いろいろの業縁に会うて、今日まで命ながらえても あの姑の一言を
聞くために生まれてきたようなものでございます。


と語られました。・・・・・


このお話を 読みながら 今 本当に大事なことが伝わっていないように思います。
保育園の先生にまかせ 学校の先生に、塾にまかせ、大学さえ出せば
親の勤めをはたしているように思っていますが、親として本当に出来ることは 
何かを考えてみる必要があるように感じられてなりません。


仏縁のある方は 何か還相の回向を感じられ 受け止められた方であろうと
思います。


どうぞ この私のために 働きかけていただいている その想いを 受け取って
行きたいと思います。
感受性を高め 味わいを深めるために お聴聞を、お念仏を
 繰り返し 繰り返し
味わわせていただきたいものです。 

          正信偈入門 高下恵著 百華苑 (p128)


妙念寺電話サービス お電話ありがとう ございました。
次回は 11月6日に 新しい内容に変わります。

         


           私も一言(伝言板)