第824回 伝わっていく

 平成20年 11月 6日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。

本堂に入って 阿弥陀さまの前に座ると 大きな香呂があります。
ご門徒の方が ご寄付いただいたもので、半円の口が開いた大きな蓋があり 
立派なものです。


ライターや マッチでロウソクに火をつけて お線香を供えていただいて
いましたが ご寄付いただいた方のお宅に 月忌参りしたある時 こんなことを
おっしゃいました。

昨日 本堂で線香を 上げようとしたら 手元が狂って 畳に落としてしまった。
怖くて もうお線香を 上げずにお参りしようと思うと、おっしゃりました。

そういえば お仏壇の前に 線香を 落して焼け跡が残っているところが
よく見受けられます。

それなら 線香をやめて お焼香にすればいいのだと 思いました。
近くのお寺で 毎朝 人工の炭に火をつけて入れ ほぼ一日 いつでもお焼香が
出来るように なさっているところが ありますし、電気の小さな板が 
置かれた特別の香呂を置かれたところもあります。

電気香呂を置くことにしようと 思いましたが せっかくご寄付いただいて
長年慣れ親しんできたものを 取り去るわけにも いきません。

そこで 今までの大きな香呂の中に 電気香呂を 入れることにしました。
ところが 電線の処理に困ります。大きな飾りの蓋も 邪魔になります。

いろいろと考え 工夫した結果 最終的には 蓋の飾りの後ろを 一部分を
切り取り いままでの香呂の中に 新しい電気香呂を置くことに成功しました。


しかし お香をたく電熱の小さな板がすぐに灰の中に隠れてしまい
ご案内のカードを出しているにも関わらず、線香が置いていない 
マッチがないと
 大さわぎをされる方もありました。

いつも 電熱の小さな板を 灰の外に出しておく必要があり 毎朝 灰をきれいに
ならすことが 朝のお勤め前の日課となりました。

それから 一年ほどたった この頃 月忌やご法事で ご門徒のお宅にお参りすると
香呂がきれいにお掃除されているご家庭が多いことに気づきました。

これまでは 寝かせた線香の跡が きれいに残っているところが
多かったように思いますが それが消えてきれいに灰をならされているのです。

私がお参りに行く前に 香呂の灰もお掃除していただいているのでしょう。
本堂にお参りの時に きれいになった香呂に お焼香した方々が ご自分の
お仏壇の香呂もきれいにしていただいたのだろうと うれしく思います。

お念仏も 教えも お仏壇のお荘厳も、こうして伝わっていけば 
ありがたいことだなあと思います。


お浄土に生まれ 弥陀同体のさとりをひらかれた 多くの先輩達が 
本堂に呼び寄せ
 ちゃんと導いていただいているのだろうと ありがたく
感じました。


   南无阿弥陀仏 南无阿弥陀仏

妙念寺電話サービス お電話ありがとうございました。
次回は、11月13日に新しい内容に変わります。

         


           私も一言(伝言板)