第847回 目標は

平成21年 4月 16日〜

妙念寺電話サービス お電話ありがとうございます。

地域 地域で 仏教各派が 集まって 仏教会という組織があります。
先月の末 その仏教会と遺族会の共催による 戦没者追悼法要の ご縁を
いただきました。

広々と田んぼが続く 近郊の農村地帯のお寺での法要でした。
今は合併されていますが その一つの村では  戦争で亡くなった人が 
153人もあり 長男も次男も三男も みんな戦死された 家庭もあったとのこと
今は その親の世代や 兄弟の世代は少なくなって 父親を 戦争で亡くした
遺児たちが中心になって 毎年法要が行われているとのことです。


遺族会というと どうしても神道での儀式が多いように感じますが
仏式で しかも仏教会の持ち回りでの法要は 地域にとって 戦争の痛手があまりにも
大きかったためであろうと 心が痛みました。

都市部の私どもの 仏教会では お釈迦さまの誕生 成道 涅槃の行事だけで
遺族会などとの連携は ご縁はとれていないのは 少々残念な思いです。

4月8日は お釈迦さまの誕生日 花まつりです。 
前日 7日には
 小型バスに 花御堂を積んで お年寄りの施設などを訪問する行事
そして 8日には 駅前や商店街など 三か所に花御堂と イベント広場までの
稚児行列が 例年行われます。


テレビで紹介されたこともあって 参加者も例年以上に多かったように 感じました。

今年は 駅前の花御堂の担当でした。 そこは 新宗教の方々が準備して 
お世話いただくところ、 和服を着てご案内いただく方もあり、
 時間になると 
次のチームが現われて さっと交代されるなど
 活気ある新宗教の方々の姿を 
ありありと 見せていただきました。


ところで どうして 真宗では お釈迦様関係の行事を行わないのでしょうか。
一緒に駅に立ち会った 聖道門のご住職は 午前中は自分のお寺で
花まつりの行事をしてきましたと おっしゃっていました。

一般に 聖道門と言われる修行をされる宗派では お釈迦さまのように
修行をして悟りたい お釈迦さまのようになりたい、お釈迦さまが
目標の宗教だと思います。

そこで 御本尊が お釈迦様であるところも多いものです。

ところが 浄土真宗は お釈迦さまが説いていただいた 阿弥陀さまの世界へ 
往生させていただきたい。 目標は お釈迦さまが説いていただいた

阿弥陀さまの世界です。

そのことを 実践して 教えていただいた 親鸞聖人のご誕生や
御命日などのご縁の日に集約して 法要をいたしますので 
お釈迦様のご縁の日には 特別の法要は行っていないのです。


出家することも 戒律も守ることのできない 多くの衆生のために 建てていただいた
阿弥陀如来の本願を 信じて お浄土へ 生まれさせていただく教え 
それが 浄土真宗です。


南无阿弥陀仏の中に 私を救っていただく すべての願いが
こめられていると 説いていただいています。

よくお念仏のことを 母親の母乳に例えられます。
赤ちゃんがお母さんのお乳で 健やかに育つように 南無阿弥陀仏には
この私を育て そして救う すべての要素が込められているのだと。

赤ちゃんが素直に お乳を飲むように この私のために 建てられた 願いを 
素直に受取り お念仏をいただきたいものです。


目標が お釈迦さまのようになりたいのか それとも直接 阿弥陀さまの
国に生まれ 阿弥陀様と同じ悟りをいただくのか その違いだと思えます。

南无阿弥陀仏で 救われるという 教え 修行もせず 戒律も守らず
ただ南无阿弥陀仏一つで仏の悟りを頂く ということに、有難くまた誠に申し訳なく
ただ、ただ 南無阿弥陀仏です。

妙念寺電話サービス 次回は 4月23日に新しい内容に変わります。

         


           私も一言(伝言板)