第849回 よく見れば

 平成21年 4月 30日〜

妙念寺電話サービスお電話 ありがとうございます。

お会いするたびに 「日本はどうなっているのでしょうね。 親を殺したり 
子供を殺したり 悲しい事件ばかりで 将来どうなるのでしょうか。」

「今の若者は どうなっているのでしょうか」 と 心配していただく方が あります。

そして 「浄土真宗の教えが 広まれば お念仏が 広まれば きっと
 こうした悲しい事件は なくなるのではないか」 とも おっしゃります。
「どうか 若い人にも お念仏の教えを 説いてください」 とも。

たしかに その通りでしょうが 「仏教は 世間のことより 若者の心配よりも
まずは 自分のことを 問題にするのではないでしょうか」 と、お話をしています。

新聞や テレビは 珍しい 特別のことが起こるとニュースに なるものです。
当たり前のことは 誰でもがやっていることは 珍しくもなく ニュースにはなりません。
ですから ニュースになるのは ごくわずかの問題を起こす人で あり 
ちゃんとしている 大多数の若者 こちらの方は ニュースにはならないのでは 
ないでしょうか。



周りを見てみると
24時間営業のコンビニや スーパーなど 成り立っているのは
どちらかといえば 年配者より 若者たちが努力してくれているお蔭で
夜中も 早朝も 休日でも 必要なものが いつでも手に入るのでは
ないかと思います。

良く見ると 大人たち以上に 今の若者たちは  黙々と
頑張っていてくれているように思えます。

介護施設や 病院など 若い看護師さんや介護士さん達が
親身になって お世話をしていてくれる姿をよく見かけます。

これは 当たり前であって 決して ニュースにはなりません。

先日 本屋さんで 千日回峰行を成し遂げられた 阿闍梨さんの本を
見つけ読ませていただきました。
自力の行を 徹底してなさった方の言葉は、「こうした厳しい行は
自分の力だけでは行えない これは 応援していただいた 周りの皆さん
そして 仏さまのお力で 成し遂げることが出来ました」 と、

まるで 他力の僧侶の方の お話そのものです。
精一杯 頑張った人は 自分の周りで 頑張っている人の姿が見えてくるもの
親切にしている人は 人さまの親切がよく味わえるもの。
手紙をよく書く人は 受け取った手紙の有難さが 分かる人。
やればやるだけ 実践すれば実践するほど 周りの人々の働きが
はっきりと味わえるもの。


他力とは 何もしないで 棚から牡丹餅ではなく 自分が努力すれば努力するほど
自分以上に 頑張っている人が見えてくるもの 大きな力の働きを 味わえるものだと
思います。

新聞や テレビのニュースに こころを奪われ 世間を眺めて 嘆くだけではなく
行動してみると 見つめてみると 私の周りには 本当にありがたい人々が
有難い自然が 有難い 仏のはたらきが 味わえてくるのではないかと
思います。

それが 見えてくると 味わえてくると ついついお念仏が口から洩れてくる
感動し感激し 自然に出てくる南無阿弥陀仏が しらずしらずのうちに
人々へと広がり それで 伝わっていくのではないかと思えます。

他人の醜さが見えてくるとき それ以上に自分の中にある 醜さに気づくこと
努力してみれば 自分以上に 努力している人が見えてくるもの
それが お念仏の 一つのはたらきであり 味わいであろうと思います。

南无阿弥陀仏を称えれば 見えてくるものがあるのです。
南无阿弥陀仏を称えれば 感じられることが あるのです。
ナンマンダブツが 聞こえたら 有難い方がそこにいてくださるのです。
ナンマンダブツが 口に出たら 私とともに 如来さまが 働いてくださって
いるのです。

もう一度 私の周りのすばらしい人々を ニュースにはならない すばらしい 
出来事を
 発見してみたいと思います。

ぼんやりとして 見過ごして 気づいていない 大きな力のはたらきを 
感じ取って
 新鮮な喜びを 味わってみたいと思います。

南无阿弥陀仏を 聞きながら 南无阿弥陀仏とともに。

妙念寺電話サービス お電話ありがとうございました。
次回は、5月 6日に新しい内容に変わります。
尚 門信徒総会と 降誕会は 5月17日に予定しております。
どうぞ お参りください。


         


           私も一言(伝言板)