第866回 問題の解決 〜台風とゴリラのボス〜

 平成21年 8月 27日〜

妙念寺 電話サービス お電話ありがとうございます。

昔見た テレビのドキメンタリー番組を思い出しています。
ゴリラの世界を描いたものでしたが 台風が近づいて来て
だんだんと風が強まってきたときのこと  ゴリラのボスが 周りの木々を
大きく揺さぶり 奇声を発して
 迫りくる台風を 追い払おうと必死になって
暴れまわる 強烈な映像です。


ゴリラの仲間や 動物同士であれば その力の余りの大きさに 恐れをなして 
退散するのでしょうが 相手が台風では いかに
 ゴリラのボスが頑張ってみても 
通じない無理な話です。


仲間のゴリラには ボスがあれだけ頑張っているので 大丈夫だろうとの
安心感を与える効果はあっても 抜本的な
 解決には いたりません。

進化した人間は その大きな力に対して 対抗するだけではなく
祈ること 頼むという行為をすることで 原因がわからず 理解に苦しむ脅威から 
逃れる方法を見いだしたのだろうと思われます。


問題の解決は 自分の力でとリーダーとか あるいは その仲間が 盛大で特異な 
儀式を行うことで 問題が解決するように よそおって 
 仲間を安心させ 
自分の地位や 立場を守ってきたのだろうと 思います。


祈りの宗教というのは そうしたことから 発生してきたのではないかと 思います。


台風の強風も 自然現象ですが 人間の老病死も また自然現象です。
子供がどんどん成長していくのと 同じように 老いることも病気になることも
やがて死んでいくのも みんな 自然現象です。

現代は 医学的な発展を遂げて ある程度までは 科学的な解決法が
見いだされているものの 抜本的な解決法は
 まだまだほど遠いといえましょう。

ほんの入り口だけが 見えているにすぎないと思います。

お釈迦さまは 祈りの宗教を否定されたといわれます。
問題は 自分の外側にあるのではなく その多くは自分の内側に あるものであり 
自己中心的な 見方をするので 正しい判断が出来ずに
 悩み苦しみを
起こしているのであると。


言われてみると 他の人の問題は 適切に判断が出来ても 自分や 
自分の家族 仲間のことになると なかなか事実が
 見えてこなくて 
判断が鈍り 悩みの種となることが 多いものです。


他人のことと 同じように 自分に関わる問題も 客観的に 見ることができれば 
理解出来れば その悩みの多くは 消えていくことでしょう。


現代社会は 祈ることに加えて 努力すれば 問題が解決するように 
誤解してしまっています。

真実に目覚めることとは 自然の出来ごとの多くは 人間の力を超え 
人間のはからいを 超えていることを ちゃんと理解して 人間の
力が及ぶところには 精一杯の努力をするものの 人間の力の及ばぬことは 
自然に任せ 成るようになる 一番自然な状態に落ち着くということを 
ちゃんと理解することだろうと 思います。


お念仏の教えは その真実を知らせるために 阿弥陀如来が 教えていただいた 
最大で 最短な 問題解決の方法であろうと
 味わいます。

南无阿弥陀仏に出会い 南无阿弥陀仏を口にする 南无阿弥陀仏の 価値観で
生きていくことで 多くの悩みや問題は そのほとんどが
 解決していくものだと 
思われます。


自然現象を 自然現象として 素直に受け入れていくことが出来れば 
他人と同じように 自分のことも 正確に見つめることが出来れば
その悩みの多くは 消えて 充実した喜び多い人生が取り戻せる
ものだと 味わいます。

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は 9月 3日に新しい内容に変わります。

         


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