第886回 56億7千万

 平成22年 1月14日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

ご正忌報恩講に 
 567千万 弥勒菩薩はとしをへん 
    まことの信心うるひとは
 このたびさとりを ひらくべし 

というご和讚を みなさんとご一緒にお勤めしました。

現在 兜率天で修行中の弥勒菩薩が お釈迦さまの次に この世に
お出になる仏さまであると言われます。


しかし、まだまだ、4千年の間 修行をされたその後、お釈迦さまのように
この世にお出になるということです。

修行中の兜率天というところの一日は実に長く われわれ人間の世界の400年に
あたるそうで、したがって、仏になられるまで なんと 567千万年という
長い修行が必要であると、お釈迦さまは説かれてあります。


ところが 他力念仏の人は 弥勒菩薩よりも速やかに たとえ 今夜 
臨終を迎えてしまっても 間違いなく 仏になることが出来るのだと
喜ばれた
 親鸞聖人のご和讚です。

 毎年 お正月の5日にお参りするお宅の前に 日蓮宗の大きなお寺が
あります。

この寒いのに ご住職は 多くの檀家が見守る中 水桶で水を汲み 
何杯も 何杯も
 頭から 叩きつけるように 冷たい水を被られる様子を
見せていいただくことが
 あります。

こんなに厳しい大変なことは、ご本山で幾度となく長い修行を積んで 
徐々に訓練をされたからこそ 出来ることでしょうが、とてもすごい
ことだと 思います。


しかし、そうして修行をされても、さとりを開くことが出来るとは 
限りません。

必ず、仏となれる 覚ることが出来る保証はないようです。

弥勒菩薩さまさえ 仏の一歩手前といいながら まだまだ567千万年の
修行が必要なのです。


まして 水も被らず 暖かい暖房の中で ぬくぬくと生活している私たちが
お念仏のはたらきで 必ず お浄土へ往生できる しかも いのち終わった
その時に
 阿弥陀如来と同じさとりと はたらきが出来るようになると 
お釈迦さまは
 説いていただいているのです。

それは 将来のことだけで 今と関係ないのかというとそうではなく、
ご和讚には


   ○ 念仏往生の願により 等正覚に いたるひと
       すなはち弥勒に おなじくて 大般涅槃を さとるべし

  念仏往生の 願によって 等正覚にいたる人はそのまま 弥勒菩薩と
  同じで、いのちが終わりしだいかならず大般涅槃をさとるのである。

   ○ 真実信心うるゆへに すなはち定聚に いりぬれば
      補処の弥勒に おなじくて 无上覚を さとるなり

   真実の信心をうることによってただちに正定聚の位にはいることが
  できる。すでに仏果を成することが決定したので 一生補処の位にある

   弥勒菩薩と 同じようにこの上もない立派な さとりを開かせてもらう
  のである。


  と、念佛の人は いま現に 等正覚の位にあり 弥勒菩薩と同じで、
 仏になる一歩手前で、間違いなく仏になれると 言われます。


 菩薩とは 法蔵菩薩さまが そうであったように 願と行とを具えもち、
自らの悟りを完成する自利と、同時に生きとし生けるものを救う、
利他という目標をもって、現に衆生を教化しつつある方であると
説かれています。


その菩薩さまと 念仏を信じ 南無阿弥陀仏を口にする 私たちは同じ位で
あると。


すでに 菩薩と同じ位置にいると 言われても 振り返ってみると 
自分のことだけで 精一杯、 他の人ことなど気にもとめない姿に 
恥ずかしく 申し訳なくなってしまいます。


立場といえば 学生であったり 子供であったり、大人であったり 親で
あったり 主婦であったり 部長だったり 社長だったり 自治会長で
あったり それぞれに いろいろの立場がありますが、仏になる直前の
菩薩と同じ位の地位と いわれると 自利だけではなく 利他の
はたらきをする立場であると聞くと このままではいけない

申し訳ない 何をどうすれがよいのだろうか 考えてしまいます。

でも、それは、南无阿弥陀仏のはたらきであり 阿弥陀如来の願いであり、
私自身が今できるのは 南無阿弥陀仏と口にしながら 自分の思うことを
素直に実践していくことだろうと味わっています。


私自身に菩薩としての能力があるわけではなく 南無阿弥陀仏が 
私にはたらいていただき、南无阿弥陀仏に動かされ 願いに叶った方向に
歩ませていただいているのではないかと。


ああまた 自分を中心に考え わがままに流されている お恥ずかしいと
南無阿弥陀仏と口にし 菩薩さまと同じ立場であることを喜び ゆっくりと
歩ませていただきたいものです。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。
次回は 121日に 新しい内容に変わります。

         


           私も一言(伝言板)