第900回 安楽浄土に いたるひと 五濁悪世に かへりては 〜

 平成22年 4月22日〜

妙念寺電話サービス お電話ありがとうございます。

太陽の光がだんだんと力を増して 植物が芽生えてくるころは 人間も
大きな変化が起こるころだろうと思います。

私どもの前住職が往生したのが 425日、10年前のこと。
毎月の勉強会に欠かさず 参加いただいた 最高齢の三窪宗一郎さんが 
101歳で往生されたのが この331日。
そして この度 104歳の住職の母が 412日往生しました。

浄土真宗の家に生まれ 家のすぐ前がお寺で そこの若さんだと
思っていたのが
 実は お寺に養子にいっていた 実の兄だったと 
知った時 ますます
 お寺は 近い存在に なったようです。

紫の道行を召された 九條武子さんの思い出や 成長して浄土宗の家に嫁ぎ
連れ合いの仕事の関係で 上海に渡り 別院の日曜学校のオルガンを
弾いていた思い出。


僧侶になった兄のご縁で 大谷光瑞御門主に 親しくお声をかけてもらったこと
など 懐かしく話していました。

法座の最後に全員で歌う 「恩徳讃」を 久しぶりに聞いたとき 昔は
短調だったようだけど 今は 明るく変わったのねと。つぶやいていました。

お寺の行事は 欠かしたことがなく 家の周りの畑には 季節の花を作りつづけ
100歳までは 一人住まいをし、日記も毎日付け 新聞も必ず目を通していました。

101歳で入所した 介護施設でも 介護士さんへ 「ありがとうございます」
の言葉と
 笑顔が印象的だったと 聞かされました。

「長生きの秘訣は 腹八分目と世間ではいいますが 私は 腹7分目にしています。」
というのが いつもの口癖でした。

ただ難点は 自分を通すこと 少し体調が悪いと お風呂に入ることを嫌ったことです。
介護士さんたちは いつもきれいにしておきたくて お風呂に誘っても
微熱があると 絶対にお風呂に入ることを断りました。

現代の感覚では 少しの熱でも お風呂で暖まった方が 風邪も治りやすいと
言うようですが、決して受け入れませんでした。

「お医者さんが お風呂に入った方が 良いよ」と言っていると 伝えると。
「自分の身体は 自分が一番分かっている お医者さんの言うとおりにしていたら
  100歳までは 生きはしない」と 反論していました。

そういえば お医者さんは 仕事が厳しいせいか ご高齢の人は 少ない気もします。
骨折して 痛みどめが効かず 大きな声で 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏と 声にして
いたことが 忘れられません。


  お聴聞を重ねられた 三窪さんも 意識が無い状態でも 酸素マスクの中の 
口がいつも動いていたのも 南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏を 口にされて
いたのだろうと 有難く拝見しました。

お聴聞をして 自分の行き先がはっきりとした人の往生は 悲しいものの どこか 
こころ安らかになるものです。


南無阿弥陀仏のお念仏の仏さまになって すでに はたらいていただいていると
味わえると 生前よりも もっと近い存在になるものです。

お見舞いに出かけて直接その姿を見なくても ここに一緒にいていただくと 思うと 
悲しみも少しは 和らいでくるものです。

お浄土へ生まれた人は 阿弥陀如来と 同じさとりを得て すべての人を救う
はたらきをする お釈迦さまが説いていただき 親鸞聖人が勧めていただく
南無阿弥陀仏の有難さを いま かみしめ味わっています。


安楽浄土に いたるひと 五濁悪世に かへりては
 
釈迦牟尼仏の ごとくにて 利益衆生は きはもなし

南無阿弥陀仏の仏さまとして活躍しておられると・・・・・・

妙念寺電話サービス お電話ありがとうございました。
次回は 428日に新しい内容に変わります。


         


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