第906回 はたらきかけ  〜気づかせていただく〜

  平成22年 6月3日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

法要の後 いろいろとお話していた中で、本堂やお仏壇にお供えする花は、
どうして私たちの方を向いているのですか?


仏さまにお供えするのですから、逆向きが正しいと思うのですが。
という 質問をうけました。

本願寺派の東京教区で 開設しているホームページに こんな回答がありました。

A: お答えいたします。

  お祝いごとや感謝の気持ちで贈る花束、恋人に捧げたり、お見舞の花束も 相手に 
花が咲いている方を見せるのが普通です。


その意味では、本堂の内陣やご家庭のお仏壇に花を供える場合も、仏さまへのお供え
なのですから、花の表側は私たちの方ではなく、仏さまの方を向けた方がいいように思えます。

しかし、内陣やお仏壇の花は、仏さまへお供えしたものですが、それだけの意味に
とどまりません。

仏さまから私たちへの はたらきかけも表しているのです。

浄土真宗の依り所のお経のひとつ『仏説阿弥陀経』には、阿弥陀さまのお浄土の様子を
たとえて、「池中蓮華 大如車輪(池の中の蓮華、大きさ車輪のごとし)」と説かれた
一節が出てきます。仏国土の池の中から清らかな蓮の花が、大きな車輪のように
咲きほこっているというのです。


 また続けて、「青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光 微妙香潔(青き色には青き光、
黄なる色には黄なる光、赤き色には赤き光、白き色には白き光あり。微妙香潔なり)」とあります。
様々な色の花が、それぞれあるがままに美しく咲いて、かぐわしい香りを放っているというのです。


 振り返って自分自身を見つめるとき、濁りきった世界に生きる煩悩だらけの私がいます。
いつも周りと比較して、やれ誰が上だ、やれ誰が下だのと、それぞれのあるがままの
素晴らしさを認めることのできない私がいます。


 そんな濁りの世界を離れ、清らかなお浄土に間違いなく生まれてほしいと、
阿弥陀さまは願われています。
ものごとを正しく見ることができずに、苦しみ悩むお前を必ず救うぞと、
いつもはたらきかけて下さっています。


 そんな教えに気づかせていただくとき、感謝の気持ち、ご恩に報いる気持ちから、
仏さまに花をお供えさせていただくのでしょう。
そして同時に、いつも私に向かってはたらきかけて下さる仏さまのお心を表し、
お浄土の清らかさを偲ばせていただくために、花はこちらに向けてお飾りするのです。・・・・・


と あります。

お庭を お持ちの方は 自分で育てたお花を お飾りすると また味わいが
違ってくるのかもしれません。

花屋さんの 色とりどりのお花も 美しいものですが、丹精込めた自家製のお花には
それを育てた方の思いが伝わり 目を奪われるものです。

お花も 南無阿弥陀仏も 阿弥陀さまからの はたらきかけに 気づかせていただくもの
なのです。

妙念寺電話サービス お電話ありがとうございました。
次回は 6月 10日に新しい内容に変わります。


         


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