第949回 いま大切なもの 〜すべての人々を救う〜

 
平成23年 3月31日〜

法事の席でお会いするご親戚には さまざまな方がいらっしゃいます。
先日は お隣の県の 高校の校長先生であった方と お目にかかりました。

その県内では 有数の進学校で お勤めだったということですが、定年を迎えて 
いまは私立の女子高校の校長先生になられた ということです。


お話の中で ○○大学へ 何人も進学する優秀な学校とか、あの学校より この学校の方が 
優秀な生徒が多いとか、学校のすばらしさを 有名大学へ数多く進学出来たことが 基準で

お話をされていました。

父兄がそれを求めていることもあるでしょうし、校長先生として ご本人の努力の成果として、
口にされるのは 当然でしょうが、お話を聞いていて
 少々さびしくなりました。
成績の良い 一部の生徒だけしか 先生の目には 映っていないように感じられてなりません。

しかし、そうした生徒は ほんの一部分 残りの大多数の生徒に対しては どう 取り組み、
何を伝え育んでいただいているのか。

短い会話では 聞き出すことは出来ず まるで 進学塾の先生と お話ししている感じがして
なりませんでした。


確かに努力することは 大事なことです。忍耐して目標に向かうことは必要なことです。
しかし、進学する大学で すべてを評価してしまう
 その感覚は 若者を教育する責任者として 
残念でなりませんでした。


お話して再確認出来たのは 人間らしい生き方を 教えてくれるのは 学校ではなく それは 
親の責任であるということです。

今 大人たちが教育の現場に 多くを期待しすぎているのではないかと 感じました。


  この度の災害で 避難所暮らしをしておいでの方々をテレビで拝見し それぞれが 
自分が出来ることを 精一杯取り組み 協力して生きておられる姿は 尊く、見ている者の
こころまでも熱くしてくださいます。


競争して 勝つことも重要ですが 人間が人間と協力して生きていく知恵 行動する力、
思いやりのこころなどは 最も大事なことではないかと 思えてなりません。



  被災された方々を励ます意味で企画されたTV番組だと思いますが、 自分を後押ししてくれた
大切な言葉を それぞれの分野で活躍された方が紹介する
 番組を見ていますと、一人の方は 
「先輩に言われた 自分のために働くのではなく みんなのために
 働きなさい」という言葉で 
自分はどんな苦難にも 挫折せずに頑張れたという方が
 ありました。

被災地や 避難所での生活も 自分のことだけではなく、みんなのために 働くということが 
出来る人は イキイキとして、苦しみを乗り越えて
 おられることでしょう。

阿弥陀さまは すべてのもののために すべてを救うためにと 働きづめであると、 
仏さまのお話を聞くことも 仏教の価値観も これと
 同じものではないかと 感じています。

受験競争に勝ことも大事ですが 協調し自分の得意分野の能力を発揮することも もっと
大事なことではないかと、感じさせられています。

それが 南無阿弥陀仏のお念仏の味わいの一つではないかとも思えます。、
南無阿弥陀仏は 先輩が残してくれた 私を後押ししてくれる 大切な言葉であると。

妙念寺電話サービス 次回は 43日に新しい内容に変わります。

         


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