第960回 限りなき光と寿の仏 〜阿弥陀如来の救い〜

 
平成23年 6月16日〜

阿弥陀如来がさとりを開く前、法蔵菩薩であったとき、
すべてのものを救うため、限りない光と寿をそなえた
仏になろうと誓われた。

そして果てしない修行の末に、その願いを成就して、

如来となられた。

阿弥陀とは無量をあらわす。
阿弥陀如来は、その限りない光をもって、
あらゆる世界を照らし、私たちを摂め取ってくださる。
その限りない寿をもって、あらゆる時代を貫き、
私たちを救いとってくださる。

 親鸞聖人は仰せになる。

  十方微塵世界の 念仏の衆生をみそなはし

   摂取してすてざれば 阿弥陀となづけたてまつる

 たとえ私たちがその救いに背を向けようとも、摂め取って捨てないと、
どこまでも はたらき続ける仏がおられる。

その仏を、阿弥陀如来と申し上げるのである。・・・・・・

             「拝読 浄土真宗のみ教え」12頁より

親鸞聖人が これこそ真実の教え、自分のため説かれた教えと言われる
「仏説無量寿経」には 一人の国王が すべてのものを救いたいと 出家し、
世自在王仏の弟子となり、二一〇億の諸仏の浄土を見せてもらった後、

五劫という長い間思惟し、四十八願を建て、それから兆載永劫の修行をして
阿弥陀仏となられ、今現在 一切衆生を救い続けておられるとあります。


 近頃 長生きの方が多くなりました。
その多くの方々が、介護施設や病院で 生活されていた方が多く、
中には 自分の子どものこともよく分からなくなって しまう方もあります。

子どものころに見た しっかりとした親の姿ではなく 弱りはてた
赤子のような親の姿を最後に見ることが多くなってきました。

そこでなかなか、自分が子どものころ 世話になり、可愛がって

育てていただいたことを、すっかり忘れてしまい、思い出せない人も
少くなくないようです。

しかし、数えきらないたくさんのご苦労や心配をかけたことは、
まぎれもない事実です。
阿弥陀如来の国、お浄土へお生まれの方は、若き日の父母のように
この私のことを第一に考え、人間らしい生き方をしてほしい、
南無阿弥陀仏を口にし、聞く、阿弥陀如来の願いにかなった
生き方をしてくれと呼びかけはたらきかけていただいているのです。

法蔵菩薩やお釈迦様は、権力と地位と財産をすべて持ち
何不自由のない生活が可能な方々です。
しかし、それを捨てて、求められたのが 真実の世界です。

お釈迦様や法蔵菩薩が、地位や財産よりももっと大事なものと言われる

この教えをはっきりと受け取っていただくことが、最大の親孝行、
もっとも人間らしい生涯、生き方だと教えていただいているのです。

どうか、地位や名誉や財産さえあれば、人生は幸せという世間の価値観
地獄への道をまっしぐら走り続けるのではなく、
南無阿弥陀仏を聞き、親の願いにかなった、お浄土の道へと、
進路を変えていただきたいものです。

その道は 南無阿弥陀仏を聞く生活をすることで見えてくるものです。

妙念寺電話サービス、お電話ありがとう ございました。

次回は、6月23日に新しい内容に変わります。

         


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