第966回 ありがとう、よかった、うれしい  〜親たちの喜びの声〜

 
平成23年 7月28日〜

お盆が近づいてきました。・・・・
亡くなられた先人たちのご恩に対し、あらためて思いを 寄せるのがお盆である。

親鸞聖人は 仰せになる。


願土にいたれば すみやかに 無上涅槃を証してぞ
すなはち大悲をおこすなり これを回向となづけたり

浄土へと往生した人は、如来の願力によってすみやかに さとりをひらき、
大いなる慈悲の心をおこす。

迷いのこの世に還り来たり、私たちを真実の道へ導こうと常に
 はたらかれるのである。
仏の国に往き生まれていった懐かしい人たち。

仏のはたらきとなって、いつも私とともにあり、私をみまもっていてくださる。

このお盆を縁として、すでに仏となられた方々のご恩をよろこび 念仏申すばかりである。

                    拝読 浄土真宗のみ教え より


二世代 三世代が、同居していた時代は、家族全員そろって 
家庭での法座はもちろん お寺の法座にも 連れだってお参りしていたのだろうと思います。

お寺で 法蔵菩薩のご苦労 阿弥陀さまのはたらき お釈迦様

そして、七高僧、親鸞さま、蓮如さまのご苦労を繰り返し、繰り返し
子どものころから 何度も何度もお聴聞していたのだと思います。

 人間はどうしても 自分の努力や苦労は よく覚えているものですが
自分のための 多くのはたらきかけには なかなか気づかないでいるものです。

年忌法要 月忌 お盆など 先だった方々のご苦労、すでに仏となった方々の
ご恩をよろこびお念仏申すものの、日頃、お寺での法座を通して
仏となられた方々だけではなく、今 身近にいる祖父母や両親、親戚や友達

人間だけではなく、この私を生かしていただくために、その命をなげだして
くださった多くの生き物たちへの ご恩をも味わう力が 養われていったのだろうと
思えてきました。

当たり前のことを当たり前ではなく尊いこと 有り難いことと味わえてくると
その人生は 大きく違ってくるものです。

風のそよぎも 小鳥の声も 蝉の声も 夕立も、すべてが新鮮に味わい深くなってくるもの。

「お聴聞しよう お聴聞しよう」との呼びかけは、私の感受性を高め
よろこびを 感じる力が育つようにとの 親たちの願いだったのではないかと思えてきました。

都合のいいことだけではなく、不都合なことが起こっても、ありがとう、
良かったうれしいと 味わえ、口に出来る

そんな子どもに そんな人間に育ってほしいというのが 南無阿弥陀仏に
こめられた 仏さまの願い 親たちの願いだと味わいます。

この世だけで終わる いのちではなく お浄土で仏となって活躍出来る
この私に 気づかせていただける 人間としての目的が味わえる
豊かな人生となるのです。

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。
次回は、8月4日に新しい内容に変わります。 


         


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