第969回 二泊三日 〜お盆だけではなく〜

 平成23年 8月18日〜

都会で生活する 子供達が家族そろって、ふるさとへと 大移動する

夏の伝統行事 お盆が終わり、秋が近づきました。

この時期 一般に浄土真宗以外では ご先祖様が自宅にお帰りなるとの
考えから 
お仏壇に数々のお供えをして、提灯をともし、みんなでご接待する
行事でもあります。

遠く離れた子どもが 二泊三日で 帰って来た時のように三度三度御馳走を
つくり、それを
ふるまって歓迎をして 三日目の 15日には お土産を
準備して 送り帰すのが 一般的なお盆の感覚のようです。

田舎の生活を満喫した子供達は 飛行機や新幹線 あるいは自家用車に
乗って帰っていく家があり、新たな気持ちで仕事や子育て 勉学と
次にまた 帰郷するまで精一杯のはたらきをすることでしょう。

ふるさとの父母も 台風のような騒々しさから解放され 次にあえる日を
楽しみに 思い出を大切にした日常に戻ります。


ところで、ご先祖さまは どこから帰ってこられ どこへ帰られるのか

来年のお盆まで どのような生活をしておいでなのか、分かったようで
なかなかはっきりしないもののようです。

それに比べて 浄土真宗の場合は お浄土へお生まれのご先祖さまたちは
阿弥陀さまと一緒になって 子どものこと孫のこと この世に残した

大切な連れ合いや 父母や兄弟が 心配で心配で いつも私とともに
南无阿弥陀仏の仏さまとして すぐ横に 居てくださると 味わいます。

一年のうち 三日間だけ私のことを 気にかけてくださるご先祖ではなく
365日 24時間 いつも見守ってくださっているのです。

二泊三日だけ 厳しい親たちの目を気にして我慢して同居し終われば、
来年までは 親のことを忘れてのんびりと生活出来るわけではなく
仏となられた方々は いつも いっしょに居て、私を見守り はげまし、
勇気づけ、真実の 方向を示していただいているのです。


 私たちは 周りの人間の顔色ばかりを気にして ああでもない こうでも
ないと おろおろ あたふたしていますが、人間中心の発想ではなく
仏さまは どう考え どう思われるのか 一緒にいる仏さまの考えを

たずね聞きながら 日々を送るのです。

それが、いつも仏さまと一緒の生活だろうと 思います。
遠く離れて ふるさとの父母を思うのではなく いつも一緒に親の願いを
仏さまの願いを聞きながらの南无阿弥陀仏の生活、それが お念仏に生きる
ひとの生活だと思います。

一般の人には 真夏の二泊三日のご縁でも 私には 365日のご縁

それが 浄土真宗のご先祖さまとの関わりだろうと思います。

 
妙念寺電話サービス 次回は 8月25日に新しい内容に変わります。

         


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