第987回 雑行雑修自力 〜道理を離れた欲望を〜

 
平成23年 12月22日〜

蓮如上人がお書きいただいたご文章、最も読まれるものの一つに
聖人一流章が あります。

  聖人一流の御勧化のおもむきは 信心をもって本とせられ候
 そのゆえは・もろもろの雑行をなげすてて 一心に弥陀に帰命すれば,
  不可思議の願力として・仏のかたより往生は治定せしめたまう・・・・

 とか、ご和讚にも

   仏号むねと修すれども、現世をいのる行者をば、これも雑修となづけてぞ、
   千中無一ときらはるる


など、雑行とか雑修とか 自力とかを 嫌って再三 否定されています。


人間は どうしても自分の行い 自分の思いが中心になって他が見えなくなります。
特に、現代は 努力すること 頑張ること 他人の力に頼らず

競争に勝つことで 目的が達し 幸せになると 信じこまされています。

受験生や スポーツ選手などは 勝ち抜くことが必要でしょうが

一般の人には もっと違った見方 考え方が必要ではないでしょうか。

病気にかからず健康で、いつまでも若く年をとらないのも
 あなたが努力すれば 
希望どおりになるのですよ、

そのためには 適度な運動をして、食事に気をつけて、加えて〇〇を 
欠かさず飲んでいれば 若さと健康が保てますと テレビで
毎日毎日呼びかけられ、お互いの日常の会話も、私の努力が話題になります。

年を取るのも病気するのも あなたが原因を作っている、その原因を取り除けば大丈夫と

少ない原因を提示して それさえ無くせば希望が叶うという幻想を抱いています。

しかし、原因は一つや二つではなく、我々の知識では理解出来ない多くの

原因が存在しているのだと,仏教では説かれています。

ご縁があって 仏教のお話や お念仏に出会えた人は、人間同士の力
ばかりではなく もっと多くのはたらきを気づかせていただくもの。

世間の価値観 常識で生きている人たちは、気づいた目先の 一つ二つの原因だけを
理解して、対処し、何故希望どおりにならないのかと、悩み苦しんでいる方が多いものです。

こうすれば こうなるものと 勝手に想定して がむしゃらに励むことで 
欲望を叶えようとすることは 道理に外れていますよと

南無阿弥陀仏は 呼びかけていただく言葉だろうと味わいます。

仏さまのお話を聞けば聞くほど、いままで気づかなかった多くのはたらきかけに
気づかせていただく、そうすると 私の行いはだんだんと 方向と目的が
変わってくるものです。

何が 雑行で雑修なのか、こうした行いが自力なのかと 少しずつ 頷けてくるものです。
そして、いつも ハラハラどきどきの不安な生活から こころ豊かな
安心した生活へと転じられていくものです。


妙念寺電話サービス お電話ありがとうございます。
次回は,12月 29日に新しい内容に変わります。

         


           私も一言(伝言板)