就学(1年生)編
平成15年4月9日 6歳2月(入学日)
我が家のMaiiは、今日、S市立N小学校1年1組に入学しました。初めて両親揃って出席し、しっかりと Maiiのことを眺めていましたが、39人の大人数のクラスで、先生もなかなか大変な気がしました。
保育園の先生が、4月2日に、1年生の担任の先生2人と話しをしていただいていたことや、母親もその後に話しをしていたことで、 取りあえず、無事に入学式は終了しました。Maiiも机にしっかりと座っていました。
下の兄がサッカーをしていることもあり、母親ができるだけMaiiを連れて行っていましたが、サッカー部の 子の妹や弟が入学するということで、何人かの保護者は顔見知りで、その分だけ気分は楽だったような気がします。
でも、他の保護者は少し不思議に思っていたかもしれません。
家に帰ってからは、音楽の本を取りだし、母親や父親を呼んでは、一緒に歌っていました。
今日、一番印象的だったのは、2組の先生が、写真撮影の際に”Maimai”と声をかけて呼んでくれたこと。
”Maimai”とは、保育園でみんなから呼ばれていた娘の愛称です。

平成15年4月12日 6歳2月


便秘気味の娘は、朝からトイレで格闘。結局出ないまま学校へ。
授業では、学校に慣れてきたためか、或いは母親が隣の教室にいるのを知っているためか、机を離れ るのが2度あったとのこと。また、休み時間には教室を飛び出して、学校をあちこちしたとのことで、母親はため息。
低学年に配置されたTTの人がいるものの、娘のことはよく知らない様子で、”なぜですかね。”と言っているような状態では、 心細い限りです。なんとなく、学校内のコミュニケーションが図られていないのではと思ってしまいます。

平成15年4月25日 6歳3月


母親は、毎日、娘に付き添って学校に行っています。
学校から付き添いを要求されたわけではないようですが、お漏らしの直らない娘が気がかりのようです。 それに、ベルが鳴ったら教室に戻るということが分かっていないので、心配なようです。
母親が、何時か爆発しそうで不安です。
障害児学級の先生は、2組にいる障害児学級籍の子の所へは、よく様子を見にやって来ているとのこと。 同じ様な障害の子なのに、自分の学級籍の子のことは心配しても、自分の学級籍でない子のことは知らない、ということらしい。
こんなことで、将来、特別支援教育のコーディネートが出来るんだろうか。
障害児学級の担任の先生は、手当もあるんだから、自覚を持って仕事をして欲しい。
40人のクラスになって、担任の先生は頑張っているとのこと。
非常勤の補助教員(いわゆるTT)が配置されているんですが、1人で2つのクラスを補助しているため雑用係のようになっていて、 母親が付き添っている娘のことは十分な配慮はしてもらえないようです。
以上は、母親の感想なので、今度は自分自身の目で学級の状態を見てこようと思います。

周りの子ども達が、Maiiのことを「少し変なやつ」という印象を持ち始めているとのこと。
変に思うのは当たり前のことではあるが、自然に任せて、子ども達自身が「そんな子がいるのも当たり前」と感じるようにした方が 良いのか、それとも、子ども達にMaiiのことを説明した方がよいのか、少し考えてしまします。
できれば、時間がかかっても、子ども達の自然な感性に任せたいと思います。

今日は、K公園まで、小学校の遠足。
下の兄が、Maiiと同じ班になりたいと先生に言ってくれたとのこと。嬉しい気分になりました。

平成15年5月5日 6歳3月


学校でMaiiに付き添っている母親の弁
 
4時間授業のうち、1日2回程度、教室から出ていこうとする。
最初は止めていたが、怒って戻して、学校が嫌になっても困ると思い、1回は好きにさせています。
昨日は、校内に設けてある 遊具の所まで行って遊んでいました。休み時間の終わるベルに合わせて教室に戻しています。
母親が隣の(オープン)教室にいるのを知っているので、母親の所に来たりして、その傾向が強くなるのかもしれないと話して います。
学校って何?
 
学校は、自ら進んで「親が付き添わなくても良い」とは言わない。
校長から、「担任に任せて、お母さんは家に帰られても良いですよ。」と、1回は言われています。
ただ、40人の児童を相手にしている担任に任せて帰ったら娘はどうなるの、と母は不安で帰れない状態にあります。もう少し、 TTを使うなど、はっきりと口に出して言えれば良いけれども、母親も気持ちの優しいところがあって、なかなか放任する気に なれないでいます。
現時点における課題?
 
学校でのMaiiには、少しづつ課題が増えています。
学校に一緒に出かけていれば、Maiiや学校の課題も見えてきます。そうした中で、Maii自身が持っている課題を考えていかない と、先に進めない気もしています。例えば、
1) 排尿は、2時限目の休み時間にさせれば問題はない。
2) 排便は、便秘症なので1日のリズムの中で排便が出来ないため、不安が多い。
3) 文字が読めない状態なので、授業は退屈で、長時間座っていられない。
4) 休み時間のベルで、教室に戻ろうとする自覚がない。
5) 朝、学校に連れて行くと、教室に入るのを少し嫌がる。
以上のような課題について、ひとつひとつ学校に相談してみたいと思います。

平成15年5月15日〜5月20日 6歳4月


5月15日
地区の子供会の役員を引き受け、更に兄達のクラブのお世話もあって、母親は超多忙。
父親も、少しは役に立とうと、朝と夕方の食器洗いをしています。
《母親と先生のお話 1》
家庭訪問の際に、担任の先生に「校長に話をしても良いですか」と聞いたところ、「自分を通して話をして欲しい。TTのことも、 1年生の担任に任されている」とのお話でした。
《母親と先生のお話 2》
今朝、先生から母親への提案で、来週から昼休みと掃除が始まり時間も長くなるので、今日と明日はTTの方に休み時間は見てもら い様子をみましょうとのこと。早速、母親はMaiiの様子を見るため別の部屋へ移動です。
5月16日
父親は、今日の午前中、N小学校1年1組に、Maiiの付き添いで行ってきました。
他の落ち着きのないの子ども達とその騒々しさの中でも、Maiiは立派なもので、授業中に一番前の机から離れることはありませんで した。
・父親が関わったのは、2時限目の休み時間に排尿に行かせたことだけ。
・授業中は、職員室で事情を聞いたり、特殊学級の授業を覗いていました。

そういう状態だったので、親が付き添う必然性が、非常に少ないような気がしてきました。
5月19日(月)
最近、家の中では、「おべんきょう」や「くもん」という言葉に拒否反応を示します。
《母親と先生のお話 3》
担任の先生とのお話で、TTの先生が来られる時間から、給食の頃まで、様子をみてもらうことに。
トイレは、2時限休みに担任の先生に連れて行ってもらい、ウンチの時は養護の先生も対応できますとのこと。
・ただ、Maiiは、今日は門の所で、家に帰りたがって、ずーと指しゃぶり。
・その上、今日は席替わりで、日直で、給食当番です。
5月20日(火)
校長先生から、これまで娘を観察してきた結果を踏まえて話がありました。
《父・母と、校長・教頭・担任の先生とのお話 4》
・基本的には、休み時間などを含め、午前中は学校で対応する。
・2時限後の少し長めの休みは、級外の先生も含めた全員で目配りする。
・登下校と校外学習などの特別な時間、お昼休みから掃除の時間にかけては、まだ付き添ってもらいたい。
というような趣旨の提案があり、私たちも出来る分は協力する旨の回答をしました。

平成15年6月13日 6歳4月


午後0時30分頃から帰りまで、母親が付き添うという状態が続いています。
担任の先生が不在の日に、お漏らしも1回ありました。
先週7日(日)のフリー参観日には、両親揃って出かけましたが、体育館で行われた相撲大会では、待ち時間に舞台に 上って走り抜けたりして”びっくり”、思わず笑ってしまいました。
広い場所では、教室にいるときよりも、落ち着いて同じ場所に座っているのが難しいようです。
今朝、近くの同学年の女の子が2人、Maiiを迎えに来ました。
あんまり他の子ども達との交流がなかったので、ちょっと不思議な気分でした。

平成15年6月25日 6歳5月


我が家の娘は、文字を読むことに、なかなか関心を示そうとしません。それどころか、全く読めません。
そんなこともあって、「娘の知的レベルが人様(他のダウンの子たち)よりも、かなり低いんじゃなかろうか。」などと、本気 で心配しています。
言語訓練の先生からは、文字を読むようになったら、発音がもっとしっかりしてくるのに、と言われていますが、親から見ても、 文字を読んで覚える能力が低いのではと思われている状況なので、少し暗い気分になります。
誰か、良い方法があれば教えてください。

それに、最近の我が家の最大の課題は、娘の便秘です。
2〜3日に一度という状態のために、定時排泄もなかなかできません。最近は、水泳などもあって、水着で水の中に入ると便意 を催すため、その前に排泄をしておこうという気持ちになりますが、それが簡単にはできません。
朝の長い時間、便器に座っているという状態が続いています。
これについても、誰か、良い方法があれば教えてください。

平成15年7月15日 6歳5月


先週の末(11日)、担任の先生が不在の日に、授業中教室を抜け出したMaiiがプールの側にいたということで、学校では右往左往され ていたとのこと。
そんなこともあって、早く夏休みになれと祈る母親。学校から呼び出されたら(母親は毎日学校に行っているのですが)、お父さんも 一緒に話し合いに行くよと言われています。

家の方では、すぐ近くの公園に一人で出かけることもあります。時々、物陰から見ていたら、遊んだ後では、自分一人で家に戻ってき ています。何処までも行くというような、あんまり無茶な冒険は減ってきたようです。
少しづつそのエリアが広がるとは思いますが、あんまり学校で右往左往されると困ってしまいます。 こんなことを書くと、親は勝手だと思われてしまいそうですが、多分、担任の先生がおられたら、そんなに慌てられなかったのではな いかと思っています。

平成15年8月1日 6歳6月


待ちに待っていた夏休みも、既に10日経ちました。
Maiiは保育園の学童保育に行く予定だったけど、スイミングや言語療法などに行く日も多く、宿題にも時間が取られそうだったので、 自宅で過ごすことになりました。
とっても、健康的な毎日のMaiiです。

JDS(日本ダウン症協会)の新入学生(現2年生)のアンケート結果が、JDSニュースと一緒に送られてきました。普通学級や障 害児学級、養護学校など、様々な所に入学されていますが、それぞれに苦労や悩み、そして迷いも多いことが分かります。
会員がそんな状態なので、JDSも一本化した要望が難しいのかもしれませんが、JDSの活動として、自由な選択、柔軟な転学・転 級の保証を求めるような活動があってもいいような気がしています。

平成15年8月21日 6歳7月


夏休みも残り10日になり、母親は少し憂鬱そうです。
あんまり勉強も出来ませんでした。夏休みの宿題もほとんどしていません。Maii用の特別な宿題もなかったので、最初から無理と思っ てしまったようなところもあります。
とにかく、我が家の頑固娘は、元気に遊び続けています。

平成15年9月4日 6歳7月


母親が知人に語ったところによれば、Maiiの学習力が「他の子(健常児ではなく、他のダウンの子)に比べても2倍くらい時間がかか るような気がする」とのこと。
そんな話を聞くと、個別に時間をかけて教育してもらうことも必要かなと思ってしまいます。
でも、時間をかけて教育しても、関心を持たなければ身に付かないという考えもあります。
・ 二学期になっても、学校での状況に大きな変化はないようです。
・ 午前中の付添いはなく、給食途中の午後0:45頃から、3:00まで母親が付添っています。
・ 他の子と全く同じ状態で、個別に何か教育してもらうということはありません。
もう少し落ち着いたら、”学校は教育をするところ”という言葉を実践して欲しいと思っています。

平成15年9月21日〜10月3日 6歳8月


9月21日は、N小学校の大運動会
皆んなに付いて回って、昼食の後には昼寝までして、どうにか頑張り通しました。
徒競走では、想像に反して、他の子からそれ程遅れることもなくゴール。父も母も、ちょっと感動。
ゲーム走では、親と一緒の競技だったこともあって最下位脱出。
玉入れでは、方向が定まらず、他の子にぶつけていました。

10月3日は、トムソーヤーの森までバス遠足
トムソーヤーの森やヤクルト工場にバス遠足のはずだったのですが、9月27日〜10月1日まで38〜39度の熱で悩まされていたので、 慎重を期して3日まで休みました。
診断ではプール熱とのことで、5日程は高熱が続くとのこと。診断通りに、6日目に熱は下がりました。
最近通い始めたプールで貰ってきたと思いますが、元気になって良かったです。


最近父は、自分の体力が落ちてきていることもあって、Maiiの成長にかなり不安を感じています。
知識面での能力が低いのか、それとも訓練が十分でないのか、それについては良く分からないけれども、このまま
の成長速度であれば、他のダウンの子と比較しても差が出てくるような気もします。

排尿・排便も十分でないことが、父の心を暗くさせます。
学校での教育方法(普通学級)もこのままでいいのだろうかと悩んでしまいます。
教室の中にいても、教育(学習)を受けている訳ではない状態のままでいいのだろうかと考えさせられます。
多分、それではいけないんだろうと思います。

10年後、20年後の状態を想像するとき、娘には、簡単な意師の疎通は行えるようにあって欲しいと思います。
そうでなければ、年老いていく私たちが、何時までも身の回りの世話まではできません。
そこには、やはり言葉というものがとても重要な気がします。
文字としての言葉の学習、人と人とつながりで学ぶ経験的な学習、何が一番必要なのでしょうか。
それとも、どちらかだけではいけないのでしょうか。思い悩みます。

平成15年10月21日 6歳9月
排尿の間隔が短くなって、夏場には4〜5時間おきだったのが、2〜3時間おきになりました。
その分だけ、学校でトイレに連れて行ってもらうことが増え、母親はそれだけでも気を遣っています。
18歳以降の青年期の急激退行のことが、少し話題になっています。
そのことからも、特殊学級という狭い閉鎖的な環境で、大人と障害の子だけを相手に、何年も同じことだけを繰り返しながら 過ごすことに、良い影響はないという意見も出てきます。

いろんな刺激、いろんなことをしながら成長することで、大きくなったときに、街に出かけたり、人と関わって行こうとする 気持ちが出てくるということでしょうか。
良く分からないけど、父は、正直な気持ち、”娘には今の環境がとても良い”という印象を持っています。

平成15年11月11日 6歳9月


母親の最近のイライラ。
Maiiの靴が隠されるという事件が続いて、先生から子ども達に注意されたそうです。
それでも注意した日に同じ事があったので、違う学年かもしれないとのことでした。
試験の答案が返されるときに、Maiiの0点の答案を見て、ある男の子が「Maiiは、ばかだ」と言っているのを聞いた母親が、 いや〜な気分と言っていました。
Maiiにとって、試験とか0点とか、どんな意味があるんだろうと思います。そして、他の子ども達と同じ様ように扱って貰える のは嬉しいけど、それだけではMaiiの教育が放棄されているような、そんな気がしてきています。

平成15年11月21日 6歳10月


校長先生から”来年度の教育の方法について”話し合いをしましょうと、母親に声がかかったそうです。
ついては事前に、”担任と最近のMaiiのことについて話をしてください”とのこと。
少しだけ(それともかなり)警戒しながらの話し合いになるのでしょうか。
担任との話は、昼休みの午後1時からなので母親が行ってきました。
娘の学校での近況のことが中心で、毎日学校に行っている母親が予測した範囲のことだったようです。
今度の話し合いで、学校は、何か(親の変化を)期待しているのでしょうか。
ただ、親としても、”学校が教育をする”ということを期待しています。

平成15年12月3日 6歳10月


県北西部にある名護屋小学校でのことです。
普通学級に在籍し、個別教育のために特殊学級に通っている子について、特学担任の先生が、
・ 特殊学級にいる時間は、落ち着いて明るいが、普通学級では問題を起こしている
・ 普通学級に戻ったときに、周りの生徒との関係がうまくいっていない
などと連絡帳に細かく記載されていたとのことで、波紋を広げています。

我が家でも、個別教育の必要性を感じていたので、学校に申し出ようと思っていたのですが、こんなことを書かれるようでは 迷ってしまいます。個人的には、次のように考えます。
・ 子供は、特殊学級の方が気楽で居心地がよく、普通学級で過ごす時間が窮屈に感じてくる
・ 特殊学級に通う時間が増えると、普通学級の子ども達との一体感が損なわれる(差別化する)
以上のようなことを主な原因として、問題が生じてきたのではないかと思います。
子ども同士の関係のことは、子ども達に任せておくのが一番です。
それなのに、今回は、周りの大人達(先生)が勝手な解釈をしているような気がします。
個別教育を受ける場が、特殊学級という場であってはならないと分かっただけでも良かったと思います。

平成15年12月16日 6歳10月


母親と校長との間で話し合いが行われたようです。
その結果、週1日は、学校側に任せられるようになったそうです。
それでも周りからは、”ダウン症児で親が付き添っているのは我が家だけ”と言われています。
なかなか、放り出せない状態が続いています。


 特別支援教育について(平成15年12月における現状)
 特別支援教育について、様々な話が飛び交っているようなので、分かる範囲で解説します。
 特別支援教育という言葉は、文部科学省から2001年に出された「21世紀の特殊教育に関する調査研究協力者会議報告」に始 まります。そして2003年3月に「今後の特別支援教育の在り方について」の最終答申が出されて方向性が示されました。
 その後になされた正式な動きは、今のところありません。
 来年の3〜5月頃、学校教育法の改正案が提案され、6月〜8月頃に国会で可決というのが最初の予定でした。
 ただ、今は、1年遅れて、18年度から実施という話になっているようです。
 こうした法手続きとは別に、文部科学省の人達が、全国各地で行われている講習会などで、これからの仕組みについて説明し、 その話を聞いた学校の先生等が、更に講師になって話をするという状態のようです。
 現状では、法律や規則などがどう変わっていくのかが良く分かりません。
 例えば、学校などで話があっても、それは最終報告を引用した話が中心で、本質的な論議にならないと思います。
 ちょっと変わってきたイメージ
 そうした論議が進む中で、特別支援教育とは何かという意味が、少し変わってきているように思えます。
 本来は、”障害を持つ人達も、特別な支援があれば、健常児と同じ生活を営める存在であるという考え方に基づいて、障害 児の教育に取り組んでいこう”というのが本来の趣旨だったような気がします。
 それが、今日では、全児童生徒数の約6%と言われる学習障害や注意欠陥性多動症、高次機能自閉症などの存在がクローズ アップされ、学校全体で取り組んでいくための方策のように言われてきています。
 皆さんには、”特別支援教育”という意味を、見失わないようにしていただきたいものです。
 特殊学級がなくなるという話
 通常の学校では、特殊学級がなくなり、特別支援教室に変わる、と最終報告に書かれていました。
 学級(クラス)は人の数を単位にしていますが、教室は場所という意味です。このため、学級がなくなれば、障害の子は、 籍を特殊学級におくことができなくなり、籍を普通学級などに移すことになります。
 障害を持つ子ども達は、普通学級に籍をおきながら、数学や国語など一定の支援が適当な授業の時間は、学校内に設けら れる特別支援教室に通うことになります。
 こうした動きが簡単に進むのかどうかは、学校の事情で異なってきますが、数年後は多くの学校で、そうした姿になると 思われます。(法律改正の際に経過措置が設けられ、「当分の間、特殊学級をおくことが出来る」旨の規定ができる可能性 はあります。)
 特別支援教育は甘くないという話
 このような特別支援教育への移行の影響として、次のことを考える必要があります。
・特殊学級がなくなり、これまで養護・特学・普通の3つの選択肢があったものが、養護・普通の2つに選択肢が減ります。
 入学を許可した場合は、児童は普通学級に在席するため、学校や教育委員会の「養護学校へどうぞ」という説得工作も強まる と予想されます。
・現在特殊学級に在席している児童に対して、普通学級か、養護学校の選択を迫られる場面が出てくると思われます。
 地元の学校に行くという考え方が否定されることはありませんが、改めて判断を求められることになります。
・全ての時間を普通学級で過ごしたくても、特別支援教室に行く時間が設けられる場合があるかもしれません。
 特別支援教育は甘くないという話(2)
 もう一点、特別支援教育が甘くない理由として、文部科学省では、教員の増員や新たな施設整備を、全く考えていないとい うことがあります。増員しないための方法として考えられたと言うべきでしょうか。
 でも、特殊学級担任であった教員1名で、果たして、LDなど多くの児童生徒数が通ってくる支援教室をやり繰りできるの でしょうか。それほど、特殊学級の先生は、人並みはずれて優秀なのでしょうか。
 特殊学級には、担任する児童はいなくなります。ただ、障害を持つ多くの児童が通ってくる教室で、子ども達全員の面倒 (教育)を見ることが出来るのでしょうか。かなり、かなり不安です。
 少し良いこともあります
 障害を持つ子ども達がどの教室にもいるという認識にたてば、これからは全ての教員が、障害を持つ子どもの存在を認識し、 理解しようとしなければならなくなります。
 これまで、ほとんどの教員にとって障害児は縁のない存在でした。これからは障害のことを知らなければ、教員としての資質 を疑われるようことになっていくのかもしれません。そうした研修活動も活発になっていくでしょう。
 文科省は、”特殊学級には軽度の障害児だけがいる”という観点で、制度改正を進めようとしています。
 軽度の子であれば、学習障害の子と同じように、普通学級でも大丈夫だろうということです。
 ですから、本来、特別支援教育=統合教育という考え方を押し進めようというものではないのです。
 このため、障害の重い子に対しては冷たい仕打ちが待っている可能性はあります。
 制度を使っていくのは私達自身です
 ”地元の学校に行く”こと、或いは”地元の学校で責任を果たす”という考え方は、一般の共感が得られるものです。
 遠くの養護学校に行けというのは、通常であればなかなか言いにくいものです。
 ですから、結果として”地元の学校に行く=普通学級に入る”子が増えていく可能性はあります。
 新しく制度が変わっても、それを行うのは、ひとつひとつの学校です。それぞれの学校によって対応が異なる場合もあると 思いますが、小さな期待感を持ちながら、特別支援教育の今後の動きを見守っていきたいと思います。

平成16年1月9日 6歳11月
ちょっとした思いつきなのですが、今話題になっている特別支援教育にも記載のある”個別支援計画”を、担任の先生 につくってもらうことにしようと思います。
Maiiのことを、学習や生活状態、健康、運動などや、1日を授業や給食、昼休み、体育の時間などに分類して記載してもらい、 クリア・フォルダに入れて、次の担任の先生に引き継いでもらうようにしたいと思います。
小さな実験のようですが、そんなことをすることで、Maiiに1/40以上の関心を持ってほしいと思います。これって、ちょ っとしたヒットかも。
Maiiの個別支援計画の試作品(H16.1)を作 成しましたので参考にできれば思います。
母親が、担任の先生と話をしてきましたが、作成したものを他の教諭も見るかもしれないとのこと。その点については、 多少慎重にならざるを得ませんが、前向きに考えたいと思います。
今は、Maiiの現状の内容だけですが、少しづつ内容を濃くしていきたいと思います。

平成16年1月16日 6歳11月
もうすぐ7歳になります。昨日の朝学校で、校長から母親に話があり、
「引継ぎは、学校側がするべきことなので、保護者と担任の間だけのことではなく、校長がきちんとしないといけないものです。 ○○さんが作成されたファイルは参考にさせてもらいますが、どういう形になるのかは今から考えていきます。」 とのことだそうです。
学校側がつくるということは、学校側が頭を働かせてつくられるということなので、とても良いことと思います。
期待して待ちたいと思います。

それから、今日も校長先生から母親に話があったと連絡がありました。
「市の教育委員会に、生活指導員を付けられないか働きかけてみたい。ただ、就学相談等も受けておられないの で、別途資料をつくって提出する必要があるが、保護者としての意見を伺いたい。」とのことでした。
取り合えず学校に電話を入れて、父親としては、
・ 娘のことを、障害をメインに資料が作られ、市教委の公式資料になるのは本意ではないこと。
・ ダウン症の場合は、介助者が付く可能性が高いとは思えないこと。
などから、校長先生の配慮には感謝するものの、そうした手続きは望ましいものではない旨を伝えました。
校長先生も、こちらの意図(就学相談などは受ける気はないこと。)は理解されたと思います。

平成16年2月16日 7歳0月
7歳になっても状況に変化はありません。何となく関心は、4月以降のことの方に向いています。
数日前に地元のSAGA新聞に、K町の特殊学級の生徒達が、マラソンに挑むという記事が載っていました。
ターナー症候群の児童も挑むということで、ほほえましい記事になっていました。
ただ、記事の中に、その児童のお母さんが毎日学校で付き添っていると書かれていて、そのことにKoga記者が疑問 を抱いていないことが不思議でした。
”母親が心配で学校でも付き添っている”とでも思われているのでしょう。それとも障害児を持てば、家族が付き 添って介護するのが当たり前と、無意識に思われているのでしょうか。
最近は、こんなことに非常に敏感になっています。

平成16年3月2日 7歳1月
もうすぐ1年が過ぎようとしています。
この1年間の成長を推し量るのは、なかなか難しいものがあります。
それまでの1年間以上に成長しているのかもしれませんが、学校生活への期待が大きく、周りの子ども達の成長が早い だけに、なかなか言葉も出ない娘に焦りを感じます。
普通学級への焦りではありません。特殊学級のあの閉鎖的な空間に閉じこめるよりは、少なくとも明るい性格の娘にな っていると思います。
他の子にぶつかりながらも、それが自分のいる場所だと感じているはずです。
あと1か月で2年生になる君に、やっぱり期待したい父親です。

平成16年3月15日 7歳1月
父親としては随分久し振りに学校に行き、担任のOokuma先生とも話しをして来ました。
話の多くは、母親と先生の間での、Maiiの学校生活でのことになりました。
先生は、40人の学級でもあり、Maiiの行動や生活のリズムなどがよく分かってきたのは、3学期になってからで、それま では何処にいるのか確認していないと不安だったとのこと。
4月に1年生の担任は2人とも変わるだろうから、出来れば一緒にMaiiのことも引継をしましょうとのことでした。
最近、公文の文字書きも少しは上手になってきました。じっくり、ゆっくりやっていきたいと思います。