雑感(平成15年12月-平成16年7月)


12月・1月・2月・3月・4月・5月・6月・7月


  速やかな経営移譲を 15.12.5

  サガン鳥栖混乱の原因が現経営陣にあることは多くのサポーターが賛同するところである。

 現社長は、サガン鳥栖5年目の秋に経営のプロとして取締役に就任し、翌年3月に代表取締役に就任した。初年度は、社員整理等による経費節減とカメルーン効果で黒字決算となったが、2年目は、初年度の黒字を当てに新監督を迎えるとともに、外国選手トリオの獲得したものの、チームの成績は最下位となった。一方、鳥栖市が支援案を議会に提案したが、現社長の株主懇談会での財団化、身売り、解散発言により、混迷を深め、支援内容の一部が修正され、やっと議会の承認が得られたものの、支援が凍結され未だに実行されていないのが現状である。

 現社長は、サポーターとの懇談会で鳥栖市からの支援を含めて2年間でトントンであると説明しており、例え、鳥栖市の支援が実行されても2年目は大幅な赤字と思われる。

 今から思うと株主懇談会での財団化、身売り、解散発言は本気だったのかも知れない。当時は、財団化は現社長が取締役に就任する前に議論され、実現不可能と判断された案であり、身売りとか解散は、サガン鳥栖を愛する者にとって考えられない選択だったので本気で提案しているとは思えなかった。

 しかし、今日の状況を見ると現経営陣は身売りや解散を真剣に考えていたのではないかと思われる。(?)

 現社長は、サポーターとの懇談会で常設看板やピッチ看板は、鳥栖スタジアムに手数料を支払うのがもったいないという理由で契約していないと説明しているが、契約しなかった理由は1年契約すると身売りとか解散で契約不履行で訴えられる可能性があるためではないか?

 なお、チームが継続するのであれば、例え現経営陣が退任するとしても1件でも多くのスポンサーを獲得(継続)するのが来季のチーム運営に不可欠であることは常識であるにもかかわらず、スポンサー獲得(継続)活動を行っていなかったのは来季の収入を考える必要がないと判断したからではないか?Jリーグから来季の取締役候補の収支見通しが甘いと指摘されている点についても、現経営陣が来季の運営を考えてスポンサー獲得(継続)を行い、取締役候補に情報が開示されていれば、問題になることはなかったであろう。

 また、Jリーグから取締役でない者が収支計画を策定することに疑問が投げかけられているが、これも経営改善委員会から推薦があった時点で決断し、11月中旬に臨時株主総会を開催していれば、問題になることはなかったであろう。

 現状の問題点は、取締役候補が取締役に就任できないことから本格的なスポンサー獲得(継続)交渉や監督、選手との契約ができないこと、Jリーグに取締役候補が発言したとされる内容が伝えられ、取締役候補に対する不信感からチーム存続の危機を招いていることである。

 現経営陣が身売りや解散を主張するのは自由であるが、まずは、情報公開を行い、その理由を明らかにすべきではなかったのか?そして、最終判断は株主総会が決すべきであり、現経営陣が独断で判断すべき問題ではないと思っている。

 現時点では、継続を主張する取締役候補が現れたのであるから、速やかに経営移譲を行うのが常識であり、身売りや解散を主張する人は速やかにサガン丸から下船すべきであると思っている。


 なんでだろう 15.12.13

 この1週間でサガン鳥栖を取り巻く環境が劇的に変化した。経営改革委員会が来季取締役候補の推薦を12月9日(火)に撤回したことから、現経営陣に新たな社長候補の人選が託されている。

 問題は、サガン鳥栖存続のためには、Jリーグ(鈴木チァマン)が要求している鳥栖市や地元企業の支持を得られる人を人選する以外に残された道がないということである。一部新聞報道によるとJリーグが念頭においているのは現経営陣のようである。

 これまでの経過を整理すると、10月20日の経営改革委員会で取締役候補が推薦され、11月4日に来季の運営を取締役候補に一任することが発表されいる。

 取締役候補は、11月21日に計画案をJリーグに提出しているが、Jリーグから、取締役でない者が作成した計画であり、内容も鳥栖市や地元企業の支持を得られていると認められないと指摘されたようである。

 取締役選任の臨時株主総会を12月20日に開催する予定だったところ、12月8日(月)の社長候補と鈴木チァマンとの対談で、さらに、鳥栖市や地元企業の支持を得るようにとの厳しい指導を受けたようである。

 一方、鳥栖市は、鳥栖スタジアムの使用料の免除や練習場の優先的使用など、現在以上の支援はできないとの意向のようである。地元企業からも積極的な支援の動きがない中、サガンティーノ・ゴール裏を中心としたサポーターが12月13日(土)、14日(日)に佐賀県全地域でチーム存続の署名活動を展開しようとしている。内容は、佐賀県知事、鳥栖市長への支援要請である。

 また、現経営陣、経営改革委員会メンバーとサポーターとの意見交換会が12月13日(土)19時30分から鳥栖商工センターで開催される。

 ところで、この1週間「なんでだろうと」自問自答する日々であった。見方を変えると現経営陣もサガン鳥栖を愛しているのかも知れない。普通であれば職場放棄してもおかしくない状況にありながら頑張っている。このエネルギーには感心させられる。

 これが、Jリーグ(鈴木チァマン)から株式会社サガン鳥栖の経営者として支持されている原因かもしれない。ただ、サガン鳥栖の愛し方が我々サポーターと異なるだけかも知れない。サポーターとの意見交換会が相互理解の場になることを祈っている。


 新たな出発  15.12.24

 12月24日、松本育夫新監督の就任記者会見が行われた。新たな出発の始まりである。松本監督からはJリーグの百年構想、地域密着型のスポーツ文化を求めるチームにしたいとの抱負が語られたようである。これまでの実績と経験を考えると大いに期待したい。しかし、まだ、新体制の構築が始まったばかりである。

 どのような経営陣になるのか?どのような指導体制になるのか?どのような選手が残り、どのような選手が補強されるのか?どう会社が運営をされるのか?どうチームが運営されるのか?鈴木Jリーグチァマンが要求している「現在の株主を整理した上で早急に新たな経営体制をつくる。」(日刊スポーツ他)ことができるのか?

 サガン鳥栖は、新たなチーム造りよりも困難な事業を成し遂げなければならない。12月23日の朝日新聞に「(前略)スポンサーの撤退や広告スポンサーの減少で厳しさが増している。そこで、古賀社長は『個人株主による市民球団では限界がある』と、小口市民株主を減らし大口スポンサーを導入する減資策を提案したのだ。(後略)」と紹介されている。

 それを実現するためにも、スポンサーの撤退や広告スポンサーが減少した理由を明確にし、反省すべき点は反省して、新たな出発をすべきではないだろうか。そうでなければ、現在の株主が減資に同意したとしても新たに出資してくれる企業が出現するとは思えない。

 経営陣・社員の体制を強化し、経営陣自ら営業活動を行うとともに、監督・選手が積極的に地域活動に参加することができれば、ファン・サポーターだけではなく地域住民や地元企業の支援を受けることができるであろう。

 経営陣・社員の体制強化だけでなく、支援組織の活性化を図ることも重要である。これが、サガン鳥栖の基本理念である「人づくり」「まちづくり」「夢づくり」を実現することであり、Jリーグの百年構想を実現することになると信じている。

 サガン鳥栖誕生の歴史を考えると地元有力企業からの支援がないからという理由で、地元から支援されていないと考えるのは早急ではないだろうか?サガン鳥栖は誕生して7年である。スポーツ(サッカー)が生活の一部となるスポーツ文化が育つには、まだ、年月が必要である。


  人づくり  15.12.28

 12月27日、チームはDF川前選手(32)を解雇したとマスコミに発表した。チームのホームページによると、永家、川口両取締役が前監督、コーチが行った査定を踏まえて選手との契約交渉を行っているとのことである。年末までにレンタル選手を除く全選手と契約できるか心配なところである。

 川前選手は現役続行を希望しているとのことであるから、他のチームで頑張ってもらい、いつかサガン鳥栖に指導者として戻ってきて欲しいと願っている。

 サガン鳥栖の基本理念の一つである「人づくり」は、人を育てることだと思っている。ユースからトップチームへ、選手をJ1チームに送り出すことや指導者への道をサポートすることも基本理念を実現することではないだろうか。

 選手だけではなく、サポーターもボランティアに従事したり、社員になったり、株主になることが「人づくり」であり、社員や株主から経営者を育てることも「人づくり」だと思っている。

 そして、ファン・サポーターの輪が広がることがホームタウンの理想だと考えていた。選手だった人が監督になったり、サポーターだった人が社長になったりするというのは、年数が必要だと思っていたが、現実は更に厳しいようである。

 12月28日の西日本新聞に「再生へ キックオフ」「市民球団の現実厳しく」と題してサガン鳥栖の特集が掲載されている。その中で「(前略)新取締役候補に引導を渡す形となったJリーグによる『脱会勧告も辞さない』との最後通告は『クラブ経営がサポーターの感情に左右される現状は放置できない』というJリーグ側の強い意志表示でもあった。」と掲載されている。

 サガン鳥栖は、前チームの解散をうけて、佐賀県サッカー協会を中心とした支援団体やサポーターで立ち上げたチームである。現在の株主は169人(社)であるが、ボランティア的感覚の人々の集まりであり、2年前までの経営陣も例外ではなかった。

 2年前に経営のプロとして社長に就任した古賀社長は、それまでのチームを愛する運営からチームの基本理念である「人づくり」を不問にして黒字経営を目指したが、成果を得られない状況である。

 そこで、現経営陣が今年の夏に開催した株主懇談会で打ち出した改革案が「@財団への移譲、A減資による新たなスポンサーの獲得、B解散」であったが、@は当事者から否定され、Aは株主らに身売りであると否定されると、経営改革委員会なるものを設けて諮問(何を諮問したかは不明?)したが、答申は経営陣の交代であった。

 Jリーグは、現経営陣を支持するとともに、減資による一部株主の排除と責任企業(大手スポンサー)の獲得を指示している。Jリーグが経営改革委員会が推薦した取締役候補でなく現経営陣を支持する理由は、「取締役候補の計画がずさんだった。」とのことであるが、前出の西日本新聞の記事が真実であれば、古賀社長は今までに幾度となく退陣を表明しているにもかかわらず、今回の退陣表明が経営改革委員会メンバーではなくサポーターに左右されたと解したことになる。

 経営が安定するためには、責任企業の存在は否定できないが、単なるスポーツの興行会社ではないのであるから、地域から愛されるチームになるとともに、チームを愛する経営が重要だと考えている。

 今は、サガン鳥栖の基本理念である「人づくり」「まちづくり」「夢つくり」を実践してくれる責任企業が現れるのを待つだけであるが、間違っても、「行政や地域企業の支援が受けられない。」との企業の論理でホームタウンを移転することは阻止しなければならない。

 一方、責任企業が現れなければ3月の定時株主総会で平成16年度末の2部脱会か解散かを議論しなければならないという現実も忘れてはならない。


 松本体制始動とクラブサガン  16.1.10

 佐賀新聞等の報道では、1月9日、松本育夫監督が古川知事を表敬訪問し、チームの建て直しを約束したと報道されている。すでに、桂秀樹コーチの就任や下司隆司選手の獲得をチームのHPで発表され、新聞ではGKコーチも内定していると報道されるなど松本体制は始動しているようである。

 昨年のチーム存続の混乱から選手の獲得が大幅に遅れていることはやむを得ないことと理解しているが、今ひとつ不安を感じているのは私だけであろうか?

 それは、責任企業か大口スポンサーが現れなければ3月の定時株主総会で平成16年度末の2部脱会か解散かを議論しなければならないという現実があるからである。

 たとえ、それが現実でもJリーグから平成16年のチーム存続が認められ、松本育夫新監督を迎えているのだから、会社、行政、現在のスポンサー、支援団体、サポーターが一丸になってチームを維持しなければならいと理解しているが、今ひとつ乗れない自分がいることに不安を感じている。

 昨年末に平成16年度のクラブサガン申込書が送付されてきたが、立派な会報誌とともに「クラブサガン入会者・ご紹介のお願い」が同封されていた。

 私は、クラブサガン(年間シート)会員は、鳥栖スタジアムに観戦にきている人をターゲットに募集すべきであり、さらに、従業員の福利厚生費として活用できる事業所、構成員の親睦に活用できる各種団体をターゲットにすべきと考えている。

 これらの人々をターゲットに募集活動を行うためには、組織力が必要であり、行政、支援団体、サポーターの協力が必要だと感じているが、会社からは既入会者への呼びかけだけしか聞こえてこないことは残念である。

 過去のサガン鳥栖は、「クラブサガン募集委員会」を設置し、サポーターの力により会員募集してきた実績がある。私は、これからでも遅くはないと思うので、是非、同様の組織を設置し、行政、支援団体、サポーターが一致団結して事に当たらなければならないと思っている。

 それが、新たなスポンサーの獲得につながるのではないかと思っている。


 挑戦 16.1.16

 1月15日、チームが始動した。佐賀新聞によると、初のミーティングが鳥栖スタジアムで開かれ、松本監督は「挑戦」を1年のスローガンに掲げ、プロとしての行動を求めたと紹介されている。心配していた選手との契約更新も無事に終わり、新人6人を加えた23人が出席したと報道されている。これも松本育夫新監督就任の効果だと感じている。

 1月14日の日刊スポーツは、鈴木チェアマンが「現状で鳥栖を外す理由がない。今後も株主の整理をキッチリと行ってほしい。リミットは(7月の)参院選まで」とコメントする一方、「鳥栖市の牟田市長がJリーグを訪れ、凍結していたクラブへの3000万円の援助実行が報告された。」 と報道している。

 これらの報道を見ると、新しいサガン鳥栖の旅立ちがJリーグからも鳥栖市からも祝福されているように感じてしまうが、そのように甘い話ではないようである。

 鈴木チェアマンが定時総会までに減資(株主の整理)をするように主張していたことから考えると、時間的余裕がありそうであるが、逆に来年以降の存続が保証されていない状況で資金確保が現体制でできるのか不安である。

 一部の人から勝てない(弱い)から応援しないとの声もあるが、スポーツの応援は勝利が全てではないと思っている。地元の高校が甲子園に出場すれば町をあげて応援するように、地元のプロチームが地域を代表して全国で闘っているのであるから、鳥栖市だけでなく佐賀県、そして福岡県の人々にも応援していただきたいと思っている。

 そのためには、応援したい夢のあるチーム造りや支援したいチーム運営を実践することにより、地元の企業や市民に地元のプロチームであると認知していただくことが大切である。

 明日1月17日から練習が始まる。チームがある喜びをかみしめながら、サポーターとして何ができるか考えてみたい。


 スポーツ観戦  16.1.19

 サガン鳥栖がオフの間に久光製薬スプリングス(バレーボール)、アラコ九州(ハンドボール)、スーパーサッカーIN鳥栖スタジアム(東福岡サッカー部OB対鳥栖地区高校選抜)を観戦した。

 1月10日佐賀県総合体育館で行われた久光製薬スプリングス対東レアローズ戦を応援したが、立見席ができるほどの盛況であった。試合の方は先行しながらフルセットに持ち込まれたが、セットカウント3対2で勝利した。ハラハラ・ドキドキの試合だった。

 応援リーダーの下に点数が入る都度、短時間ではあるが応援合戦が行われる。得点した時、失点した時と内容は異なるが、コミカルな応援であった。応援の主体は高校生を中心としたメンバーが多かったことと、青色のビブスらしきものを着て統一がとれた応援だった。サガン鳥栖も見習うべきところがあると感じた。

 また、アラコ九州は、昨年の11月8日と今年の1月17日の2回、神埼中央公園体育館で応援した。対戦相手は同じホンダ熊本であったが、結果は同じ1点差の負けと勝利で互角の試合だった。

 バレーボールとは異なり、肉体どおしが激突するゲームのため、初めは冷静にプレイしていた選手も時間が経過するとともに熱くなるのが感じられた。サッカーとの大きな違いは、時間がファールの都度停止することだろう。あと何秒というプレイが目の前で行われることが新鮮に感じられた。

 応援は、地元の学生が中心に行っている程度で寂しい気もするが、精一杯の応援を行っていた。

 1月4日のスーパーサッカーでは、サッカー文化といえるものが芽生えていることが感じられた。憧れの選手から指導を受けたちびっ子の感動と互角以上に闘えた高校生諸君の喜びを感じることができた。サガン鳥栖のオフに他のスポーツを観戦していたが、その間にもサガン鳥栖は動いていた。

 松本体制の始動とともに、スポンサー(責任企業?)になりたいという企業があったようである。22日に経営改革委員会を開催し、意見を求めるということであるが、委員会のメンバーの方には、サガン鳥栖を支援する理由は何か?会社の経営方針は何か?人的支援は可能なのか?財政的支援がどこまで可能なのか?サガン鳥栖の基本理念である「人づくり」「まちづくり」「夢づくり」をどう理解するのか?など具体的な説明を聞いて判断して欲しいと願っている。


 サガン鳥栖の迷走  16.2.1

 新生松本サガンが離陸した。1月31日に新加入選手の記者会見が行われるとともに、平成16年度J2リーグ戦の日程も発表された。この心躍る発表を聞きながら、1月30日の経営改革委員会において、古賀社長が減資(100%?)して運営会社すべてを一時、Jリーグに預けることを提案したとの報道を理解できない自分がいる。

 新生松本サガンは離陸したが、その運営会社は離陸の準備もできないで迷走している。スポンサー(責任企業)が現れたとの報道もあり、離陸体制が整備されることを期待したが、それも期待はずれに終わったようである。

 減資して新たなスポンサーに出資を求め運営を委託するにしろ、現在の株主に増資を求めるにしろ、単に広告スポンサーを募るにしろ、サガン鳥栖の再生を論じる際に地域の人々の中にサガン鳥栖が生きていること、応援しているサポーターがいることを忘れないで欲しい。

 さらに、サガン鳥栖には「人づくり」「まちづくり」「夢づくり」という立派な基本理念がある。この基本理念をどう実践するかもチームを運営する者にとって大きな課題だと思っている。

 ところで、大手企業が出資すれば経営が安定することは理解できるが、チーム存続の条件が責任企業の獲得という論理には矛盾を感じている。何のためのホームタウンであろうか?ホームタウンの責任は行政だけなのだろうか?行政の支援とは責任企業を推薦することなのだろうか?と疑問が絶えない。

 試合運営だけで収支のバランスがとれる会社が理想であるが、現実は企業の広告塔になるか、地域社会で支えるかの選択である。サガン鳥栖がどちらの道を選択しようと、鳥栖スタジアムで応援できる喜びを奪うことは許されないと思っている。


 何が起きているのか 16.2.15

 2月14日、セレッソ大阪を迎えてプレーシーズンマッチが行われた。財政難であるサガン鳥栖を救うための企画のようであるが、観客数が1,945人と今ひとつ盛り上がりに欠ける試合だった。次週のガンバ大阪戦では観客数をカバーする意味でも応援を盛り上げる必要を感じた。

 今回のプレシーズンマッチの対戦相手はJ1のセレッソ大阪、ガンバ大阪とJリーグや両チームの配慮が伺えるが、せっかくのチャンスを生かせないサガン鳥栖のチーム事情が残念である。その中で、開幕1ヶ月前のこの時期にベストメンバーで乗り込んでくれたセレッソ大阪に感謝したい。

 サガン鳥栖は、リーグ戦だったら記録になるであろう、2分間で2点を献上した守備はほめられないが、その後の展開は期待できるものがあった。残りの1ヶ月を有意義に使ってリーグ戦はスタートダッシュをお願いしたい。

 ところで、プレシーズンマッチを観戦した鈴木チァマンが試合終了後の記者会見で重大な発表をしたようである。サガン鳥栖が現在の株主を排除するために100%減資を実行すれば、Jリーグ傘下の企業が1千万円の増資に応じるとのことである。また、100%減資ができなければチームを解散せざるを得ないとの発言もあったようである。

 マスコミ報道を整理すると、現状ではチームの混乱により新スポンサーを獲得することもできない。混乱の原因となっている一部株主を排除するために株式会社サガン鳥栖は100%の減資が必要である。

 株式会社が100%の減資をするためには併せて増資をする必要があるが、現状で増資に応じる地元企業がいないので、Jリーグ傘下の企業が一時的に出資する。ただ、、人材の派遣は行わず、出資する金額は1千万円とのことである。その後、新たなスポンサーを見つけてチーム運営を軌道に乗せて、1年程度で地元の企業に出資をお願いし、経営を引き継ぎたいとの考えのようである。

 この構想には、欠落した部分があるようである。現経営陣が続投してJリーグが想定したスケジュールを実現するのか、現経営陣は経営責任をとって退陣し、チーム運営を第三者に委託し、Jリーグが想定したスケジュールを実現するかである。第三者としては、行政やサッカー協会などが想定されるが、当事者の了解と協力が必要であり問題は簡単ではないと思っている。


 地域社会の課題  16.2.17

 2月15日(前回)の書き込みに誤りがありましたので、皆様に訂正してお詫び申し上げます。

 前回、鈴木チァマンの構想に欠落があると指摘したが、15日の読売新聞によると、鈴木チァマンは「前略、経営陣は現在のままでいいし、頼まれればJリーグでアドバイザー的な支援をする。後略」と発言しているようである。

 これで、サガン鳥栖の再建策を実行するのは現経営陣ということになるのだが、新スポンサーを獲得できるのか、経営を引き継ぐべき新たな経営陣が現れるのか問題は山積みである。

 現在の株主が100%減資に同意したとしても、増資の1千万円ではチームの体質改善には程遠いと感じている。さらに、行政や地元企業が出資に応じなければサガン鳥栖の明日はないであろう。そして、地域が一丸となって盛り上げるチームになることがサガン鳥栖再生の鍵でもあると思っている。

 そのためには、松本サガンにJ2リーグでの快進撃を期待したい。監督や選手にプレッシャーをかけることは良くないこととは思っているが、今はそれしかないという現状である。

 また、サガン鳥栖の再生は、地域社会に与えられた課題でもあると思っている。「経済環境が悪いから支援できない。」と考えるのではなく、「経済環境を改善するために地元チームを応援・支援しよう。」という発想が必要ではないだろうか。そうでなければ、Jリーグチームがあった町として忘れ去られるだけかもしれない。


 リーグ戦開幕 16.3.14

 リーグ戦開幕迎えて強く感じたことは、来季の開幕戦を鳥栖スタジアムで迎えたいとの思いである。

 J2に昇格するチームは不明であるが、J2からJ1に昇格するチームが2チームか3チームとなる予定である。来季の開幕戦は少なければ10チーム、多くても12チームである。来季の開幕戦を鳥栖スタジアムで迎えるためには、今季の目標は7位以内ということになる。

 開幕戦の報道等を見ると目標として妥当なところではないだろうか。44試合の長丁場であり、選手層の薄いサガン鳥栖にそれ以上を望むのは厳しいのではないだろうか。サポーターとしては、一つでも多くの勝利と勝点をゲットして昇格を夢見たいところではあるが‥‥

 一方、地元鳥栖市が集客支援本部なる組織を立ち上げ本部長に助役が就任されたとの報道があった。また、佐賀市でもサガン鳥栖後援会の佐賀支部が立ち上げられたと報道されている。また、スポンサーも次々と名乗りを挙げており、サガン鳥栖創設以来の盛り上がりが感じられる今日この頃である。

 サガン鳥栖を応援する一人としては、この動きを歓迎すべきであり、松本サガンが勝利という美酒を注ぐことができれば、さらに拡大していくと予感しているが、チームがこれらの動きを把握し、コントロールしながら応援の輪を広げることが、重要ではないかと思っている。バブルがはじけて何も残っていなかったということのないようお願いしたいものである。

 そのためには、経営陣に頑張ってもらう必要があるが、昨年の経営危機、解散、身売り騒動から、Jリーグの超法規的措置が準備されるなど、不透明な部分が多く、経営改革の方針も明らかにされていない。

 松本サガンが勝利すればチームの問題も解決できる、株主が代わればチームの未来は明るいとの意見もあると思うが、サガン鳥栖の未来は監督、選手、サポーター、地元企業、地元行政、市民の皆で創るものであることを忘れてはならないと思っている。


 ホーム開幕戦 16.3.22

 ホーム開幕戦は、これまでにない感激と期待、そして挫折を感じた一日だった。

 それは、チーム発足以来始めてユニホーム(胸)スポンサーを獲得できたことであり、プリンセス天功さんの花火ショーは、軽飛行機が鳥栖スタジアムの上空を飛んだ以来の感激だった。観客も8,860人と開幕戦として恥ずかしくない盛り上がりだったのではあるが、試合の方が一方的な展開となり残念だった。

 ホーム開幕戦の大観衆で選手たちに気負いがあったかもしれない、また、九州ダービーというプレッシャーがあったかもしれないが、いずれにせよ、相手の勢いに負けてしまっていた。戦術論の前に個々の基礎体力、基礎技術の面で負けていた。

 このような場合、戦術面でカバーすべきであるが、その隙を与えない中盤のプレッシャーにより粉砕されたと言っても過言ではない。

 ただ、救いは昨年に比べ最後まで走る体力は残っていたことである。松本監督には、前線からプレッシャーを加え、ボールを奪取して、シュートまでできるように鍛えて欲しい。また、今年のサガン鳥栖の目標は、最低どのチームからも1勝することだと思っている。最低11勝すれば引き分けも含めて、それなりの順位になるのではないだろうか!

 私事であるが、今季からプレミアを卒業し、バックスタンドで応援することにした。PJMフューチャーズ、鳥栖フューチャーズ、サガン鳥栖と一貫してプレミア席で応援してきたが、これまでの思いを断ち切り、サポーター・ファンとして応援したいと思っている。

 サガン鳥栖は、Jリーグの庇護の下に新たなチームに生まれ変わろうとしている。それが、チーム発足時の理念と異なっていても、応援できるチームがある喜びを忘れてはならない。これから、新たなチーム(会社)造りが始まると思うが、サガン鳥栖の基本理念である「人づくり」「まちづくり」「夢づくり」を実践し、地域に密着したチーム運営をお願いしたいと思っている。

 最後に気になることを述べてみたい。専門家ではないので的外れかもしれないが、練習日程について疑問を感じている。それは、金曜日(日曜日に試合)の練習をオフにしていることである。試合前日に軽めの練習で終了するのは、疲れを残さないためと理解しているが、金曜日をオフする理由を理解できないでいる。

 オフと言っても個々で練習して筋力等を維持しているということであれば心配しないでも良いと思うのだが?


 今季初勝利 16.3.29

 ホーム開幕戦を見た限り、3回戦で初勝利をあげるとは考えていなかった。確かに試合を支配し再三チャンスはあるものの、得点が生まれないもどかしさを感じていた時に伊藤選手の1点が入った。福岡に比べ中盤のプレッシャーがなかった分、前線やサイドにボールが回っていたが、中盤の押上が弱いことからチャンスを逃していたのではないだろうか。

 セットプレイで昨年のチームは生きたボールを配給できていなかったが、今年は可能性を感じるボールがあがっていると思う。高さで勝てないのであれば、落としたボールに飛びこむ選手が必要と思うのだが、そこまでの約束事が感じられなかった。

 相手のフォワードを自由にプレイさせなかったことが勝因と思っているが、ボールの出るところを抑えなければ今後失点は増えると思われる。もう一つの勝因は運動量だと思う。確かにロスタイムの1点は感心しないが、昨年だったら2点でもおかしくないと思っている。

 しかし、最後までワクワクする感じがなかったのはなぜだろうか?確かに勝利を喜んだのではあるが、過去何度となくなく感じた高揚感がないのが不思議だった。落ち込まないために、同点にされた時、逆転された時の心積もりをしていたためかもしれない。

 さらに、最後に勝った時も忘れていた。無意識に連敗していることを考えないようにしていたようである。あくまでも今季の初勝利であり、今後も勝ったり、引き分けたり、負けたりするであろうが、純粋に勝ったことを喜べる時が来ることを祈っている。

 話は変わるが、3月31日に定時株主総会が開催される。毎日新聞(26日)の「(前略)債務超過会社であることは100%減資の条件となる。」の説明に唖然としている。記事によると「03年度は5098万円の赤字、03年度累積赤字は1億2662万円」と紹介されているが、資本金が1億2300万円のため債務超過額は362万円である。

 あと362万円の収入があれば100%減資はなかったということになる。現実は、鳥栖スタジアム使用料免除約2000万円がなければ立派な債務超過会社ではあるのだが?


  100%減資の条件 16.4.4

 4月3日の大宮戦は残念ながら0対1の敗戦であった。新聞や掲示板の書き込みを見ると、結果は昨年と同じであるが、期待できる点、改善すべき点、心配すべき点があるようである。数試合でチームを判断することができないのは当然であるが、佐藤陽彦選手の頑張りが守備を安定させていると感じている。さらに、あの人がいればとの思いが捨てがたい今日この頃である。

 チームに的確な補強を期待したいが、3月31日に開催された株主総会の模様を聞くにつけ、難しいと言わざるを得ないと思っている。練習生の存在が指摘されているが、いまだに公表されていないところから、会社が新体制にならないと無理かもしれない。

 ところで、株式会社サガン鳥栖が今年の1月末時点で債務超過会社であることが発表され、さらに、債務超過会社であることが100%減資の条件となると報道されているが、疑問を感じている。1月末時点で株式会社サガン鳥栖の資産を評価した時、本当に赤字会社なのであろうか?

 確かに、1月末の決算書は債務超過ではあるが、J2リーグの加入権(入会金2千万円)、選手の保有権(移籍料)、鳥栖スタジアムの使用権、Jリーグ前季の分配金を資産に加算すると362万円の債務超過はなくなるのではないだろうか?

 したがって、債務超過会社であることが100%減資の条件ということはごまかしであり、評価額が零でない以上100%減資はありえないと思っている。確かに累積赤字は、これまでの経営陣(現在も含む。)と株主の責任であり、それ相応の減資であれば株主は賛同すべきであり、相応の増資を行うことも可能だと思っている。

 しかしながら、大多数の株主は現経営陣の100%減資の提案に積極的、消極的は別にして賛成するのではないだろうか。その場合、評価額が零ではない会社を実質上無償譲渡することになるのであるから、それなりの条件を付記することは許されると思っている。


 すばらしき勝利! 16.4.13

 久々の快勝である。調子が出ていないと言ってもJ1降格組の仙台を相手の完全勝利(3対0)にワクワクした日であった。甲府戦ではいつ同点に、さらに、逆転されるのではないかとの不安の中、勝利の喜びも中ぐらいであったが、仙台戦はその不安も消えていた。

 しかし、今後とも順調に勝ち星が得られる保証はないと思っている。最終ラインが安定したことから中盤のプレスが可能になり、ボールの支配率もアップしたと感じている。ホーム開幕戦(福岡戦)ではまったく逆の立場に立っていた。

 これからも、対戦相手により、ホーム、アウエーにより、闘い方は変化すると思うが、今回の勝利は選手の自信になったと思う。全ての試合に仙台戦を再現して欲しいと願うのはサポーターとして当然かもしれないが、選手層を考えると無理かもしれない。

 久しぶりに出場した矢部選手や地元の小石選手の活躍にサポーターも盛り上がっているが、気になるのは、佐藤陽彦選手の怪我の状況である。最終ラインの安定は彼の貢献度が大きいと感じており、離脱することになると誰が穴を埋めるかが問題となる。心配の種は尽きないものである。

 さて、アンケートなるものが株式会社サガン鳥栖から12日送付されてきた。往復はがきで「100%減資を行い、Jリーグに預ける。」旨の提案が記載されていたが、提案を行うに至った経緯や理由等の情報提供がなく、提案をした経営陣の責任についても言及されていないことから、今回の往復はがきで判断することは不可能である。

 また、4月19日19時から開催する説明会への出席を案内する一方、アンケートの提出期限は4月19日必着となっており、説明会に出席できない人は何をもって判断すべきか苦しむところである。

 さらに、アンケートであれば無記名で実施すべきところ、回答のハガキには住所、氏名を記載し、回答もYESかNOかを記載するもので投票用紙のようである。何を根拠に実施しているのか、回答を何に利用するのかも記載されておらず、アンケートの趣旨が理解できないでいる。

 ところで、前期末決算で欠損会社になったことが理由なのか、また、一部の株主が会社を告訴したことが理由なのか不明である。株主全員が100%減資に応じなければならない理由とはなんだろうか?正式に株主総会で議論する前に提案を行うに至った経緯と理由及び同提案をした経営陣の責任についても文書で説明すべきだと思っている。

 納得できる理由の説明があり、経営陣が責任を明らかにし、さらに、Jリーグが鳥栖市をホームタウンとするチームの存続を表明することが議論するための必要条件ではないだろうか?松本サガンには光明が射してきたようであるが、運営会社の方は迷路に迷い込んだままである。


 不思議な世界 16.4.21

 勝てばJ2リーグ5位という山形戦は緊張のためなのか、慢心のためなのか、体調管理の失敗のためなのか、仙台戦に比べると勝ちたいとの気持ちが感じられない試合だった。応援する方も同じく勝利の期待がありながら観客が3,005人と寂しい限りであった。原因は何であろうか?勝ちなれていないためなのか?宣伝ができていないためなのか?自問自答しながら鳥栖スタジアムをあとにした。

 ところで、これだけJ2リーグの試合が鳥栖スタジアムで興行され、鳥栖市のメイン通りにチームフラッグが掲揚され、試合を告知するポスターが掲示されていても、町全体が盛り上らないのはなぜだろうか?

 町全体が盛り上らないのは、「チームが勝ち進みJ1昇格が見えないため」との見解もあると思うが、サガン鳥栖が基本理念としてきた「人づくり」「まちづくり」「夢づくり」が実現(実行)できていないことや地域に根ざしたチーム運営ができていないことが原因だと感じている。

 町全体が盛り上らないことが、サガン鳥栖経営の安定を拒んでおり、今回の100%減資騒動の原因とも言えるのではないだろうか。原因を一部株主に求めたり、株主構成に求めたりすることは根本的解決にはならないのではないだろうか?

 サガン鳥栖再生の道は、地域でバックアップする体制を整備することだと思っているが、現経営陣やJリーグが何を考えているのか不明である。

 今日の経済状況では、特定の企業だけでチームを支えることは無理であり、また、チームの存続意義から考えても地域で支えることが必要不可欠だと思っている。今回の100%減資が地域社会で支えるとのビジョンに基づいて推進されているのであれば歓迎すべきことと思うが、何も見えないことが100%減資に対する不安感を増幅しているのではないだろうか?

 したがって、100%減資が必要な理由を説明し、今後のビジョンを語ることができる人が現れれば、サガン鳥栖の将来はあると思っているが、そうでなければ、1〜2年チームを維持できたとしても、その後の保障はないのではないだろうか?


 すばらしき成績 16.5.14

 サガン鳥栖の快進撃と言っていいだろう。第一クールを終了して4勝4敗3引分けでJ2リーグ5位の成績である。

 JR鳥栖駅前にある掲示板を見て、久しぶりの快挙を実感できた。その掲示板は、鳥栖フューチャーズ時代に設置され、JR鳥栖駅前と鳥栖市役所庁舎前に設置されているが、リーグ5位までしか表示できない掲示板である。

 昨年までは、順位に関係なく最下段にサガン鳥栖が表示されていたが、正式にサガン鳥栖の名前が最下段ではあるが5位に掲示されているのを見て、ここまで応援してきて良かったと感じた。 この順位が一段づつ上がり2位又は3位になることが夢だが、一方で現在の順位をキープすることを願っている自分がいた。

 それは、第77回天皇杯3回戦(1997年12月14日)のガンバ大阪戦(万博記念競技場)でサガン鳥栖が2点リードし、相手チームFWの中心であるエンボマが退場した時、サポーターとして天にも昇る気持ちだったが、チーム関係者から次の会場に行く資金がないと言われ、監督や選手の頑張りだけではチームを維持することはできないことを肌で感じた。

 試合結果は、逆転負けで残念であったが、一方でほっとした自分がいた。チームが快進撃することは嬉しいことであり、全力を挙げて応援すべきであると思っているが、一方で、運営会社である株式会社サガン鳥栖の状況がその当時と変わらないことに無力感を感じている。

 日刊スポーツのHPによると、100%減資に株主の9割が同意し、反対しているのは数名とのことであるが、株式会社サガン鳥栖がすべきことは100%減資以外にもあるのではないだろうか?

 それができていないから、株主やサポーターから注文があるのであり、注文があるから経営ができないとの反論に違和感を感じている。応援している人々の希望を100%叶えることは不可能であることは理解できるが、自らの理想を明らかにし、理想に向かって進むことがチームにも運営会社にも求められていると思っている。

 チームの方は松本育夫監督を中心に一丸となって勝利を求めているが、運営会社の方は100%減資だけではなく、その後のビジョンを経営者自ら示し、株主だけでなく、地元企業、地元行政、サポーターの理解を得ることが必要不可欠だと思っている。


 再生プランと支援体制の構築 16.6.6

 6月6日の佐賀新聞の見出し「サガン 負けない!」を見ると今季のサガン鳥栖の躍進を感じることができる。順位こそ9位であるが、1勝すれば上位に進出できる位置をキープしている。松本監督の熱意と選手の頑張りに脱帽である。

 6月12日のアビスパ福岡戦は、前回のお返しをするチャンスである。次の川崎、京都と強豪ではあるが確実にシュートで終わるというコンセンサスがあれば、良い結果がでるのではないかと期待している。

 ところで、6月3日の佐賀新聞によると、100%減資について最終的に6月30日までに株主の同意を得て、臨時株主総会を7月に開催すると報道されいる。今回の現経営陣の100%減資の提案は、提案に至った理由やサガン鳥栖の再生プランが語られていないことが、関係者が素直に対応できない理由だと思う。

 チーム発足時から7年経過しても財政基盤を確立できていないことが、今回の提案に至った大きな理由と思われるが、Jリーグ傘下の企業が出資したからと言って、1年間の限定で、さらに、1千万円の出資で財政基盤が確立できるとは思えない。

 確かに、100%減資でJリーグに魅力を感じている企業の出資環境が整備されるかもしれないが、チームの管理体制、運営体制、ホームタウン(行政、企業、市民)の支援体制のいずれをとっても合格点を得られないのではないか。

 今回、サガン鳥栖の問題点を株主構成のみに求め、100%減資を実現したとしても、チームの本質は何ら変わらないと思われる。

 真に、新たな企業に出資を求めようとするのであれば、管理体制の強化(人材の確保)、運営体制の見直し(地域密着の運営)、後援会(支援団体)の整備が早急に必要である。これらのことを実現しようとすれば、サガン鳥栖関係者の総力を結集しなければならない。さらに、Jリーグの協力も必要である。

 そのためには、Jリーグ(出資予定企業)から人材を派遣してもらい、その人とこれまでサガン鳥栖を支援・応援してきた人々が再生プランを協議し、実行する必要があると思っている。チームの再生プランを構築し、実行できなければチーム存続自体も絵に描いたもちになりかねないと危惧している。

さらに、佐賀県、鳥栖市、佐賀県サッカー協会、鳥栖市サッカー協会、サガン鳥栖後援会他の諸団体が一同に会して、支援団体を立ち上げるべき時ではないだろうか。サガン鳥栖のチーム存続とともに、チーム再生のために各団体がともに歩む時だと思っている。


  同意書 16.6.10

  株式会社サガン鳥栖から「100%減資へのご同意についてのお願い」と題する依頼文が6月7日に郵送されてきた。差出人は、現取締役3名、元取締役11名の連署である。

   依頼文には、100%減資が必要だと力説されているが、「なぜ」という疑問には答えていない。なお、100%減資後に増資を引き受ける会社(J社)の具体名が初めて株主に明らかにされた点は評価されるが、サガン鳥栖の将来像が見えない状況に変わりがないようである。

  依頼文には、「100%減資に対する同意書」なる文書に署名して6月15日までに返信するようにと記載されている。先のアンケートは100%減資に賛成か否かを問うものであり、さらに、署名を求めており、株主総会における投票権を制約する非常識なものであったが、今回の同意書には「臨時株主総会決議に基づき行われる100%減資に際し、‥‥」とあり、投票権を制約するものではないこと、他の株主の権利を喪失させるものではなく、自己の株主としての権利の喪失に限られることから同意書を提出したいと考えている。

  しかしながら、依頼文にはサガン鳥栖の基本的事項(ホームタウン・基本理念)が何ら語られていないこと、会社が用意した同意書には、100%減資のみが記載されており、当然に臨時株主総会で決議すべき事項が記載されていないことから、独自に「同意書」を作成してみた。

同 意 書 (私 案)

                             私こと

は平成167月に開催される株式会社サガン鳥栖の臨時株主総会において、次の
事項の全てが出席者の3分の2以上の賛成多数(特別決議)により決議された時、
私が所有する全ての株式が消去されること並びにそれに伴い株主として全ての権
利が消滅することに同意します。

1 100%減資により発行済み株式2,460株の全てを消去する。

2 1株50,000円を払込金とする新株式を200株以上発行する。

3 新株式全てをJ株式会社が引き受ける。

4 株式会社サガン鳥栖は、引き続き鳥栖市をホームタウンとする。

5 株式会社サガン鳥栖は、引き続き「人づくり」「まちづくり」「夢づくり」を基本理
念とする。

平成16年6月  日

株式会社サガン鳥栖株主

住 所     

氏 名               印

所有する株式会社サガン鳥栖の株式数       口


 明日が見えるか? 16.6.20

 昨季まではプレミア席で、今季になってバックスタンドで応援していたが、6月19日(土)の川崎戦は、サガンティーノ・ゴール裏の呼びかけに応じてゴール裏で応援した。アウエー側でのプレイには集中力を必要としたが、メインとバックスタンドを見ながら応援することができた。

 totoの予想を裏切る勝利に応援に駆けつけたサポーターとともに感激したが、運営会社である株式会社サガン鳥栖の100%減資問題に暗雲が立ち込めており、チームの勝利も手放しで喜べる状況ではなかった。

 新聞紙上では、6月15日現在で65%の株主から同意書の提出があったようであるが、現取締役はチームの補強に忙しく株主の説得には回れないとのことで、誰が説得にまわるのであろうか?旧取締役に期待しているようであるが、100%減資を提案したのは現取締役であり、自ら株主を説得するのが筋ではないだろうか?

 私は、6月15日に独自に作成した「同意書」に署名捺印し、内容証明付で郵送したので、65%にはカウントされていないが、多くの株主が同意書を提出していない理由は、「現取締役から100%減資に至った経過に対し謝罪がないこと」「取締役の刷新が約束されていないこと」が原因のようである。

 確かに、現取締役の任期は来年の定時総会までで、サガン鳥栖の再生を責務と考えれば、今退陣を明らかにすることはできないかもしれないが、スポンサー等のサガン離れを引き起こしたのも、100%減資を提案したのも現取取締役であり、その責任を明確にする義務はあると思われる。

 一部の株主に責任を転嫁し、全ての株主を排除すれば新しいサガン鳥栖が生まれるとの説明が、サガン鳥栖を人質にとった人の言い訳にしか聞こえないのはなぜであろうか?

 今回の株主に対する「同意書」の提出依頼にしても、本来は臨時株主総会を開催し、100%減資・増資等が3分の2以上の賛成で決議された時に、反対者や棄権した人に対し、株主としての全ての権利が消去されることを通知し、同意を求めるべきものであり、3分の2以上の賛成で決議されていない時点で「同意書」を提出依頼すること自体ナンセンスである。

 たとえ、株主全員が「同意書」を提出したとしても、臨時株主総会で出席者の3分の2以上の賛成多数で決議されなければ意味のないことである。私は、個々の株主に非違がないのに権利を奪うことはできないと思っている。したがって、100%減資には賛成できない。

 しかし、臨時株主総会で3分の2以上の賛成多数で決議されるのであれば多数に従いたい。その場合であっても、ホームタウンや基本理念の継続が条件である。それができないのであれば、サガン鳥栖を継続するのではなく、新たなチームを創設すべきだと思っている。


 現実との乖離  16.6.28

 J2リーグ20試合終了時で7勝5分け8敗、勝点26という成績は、「勝ち+引き分け>負け」を期待していた私にとって、予想外の成績である。一方、100%減資の成否については想像の範囲で推移しているようである。

 スポーツナビのニュース(共同通信社)で、「クラブ存続の最終局面に 混乱続くJ2鳥栖」として掲載されている。幅広い取材により、一般紙のように一方的な情報に基づく記事ではなく、公平に取り上げようとする姿勢に好感を感じた。この記事に関して感じたことを述べてみたい。

 「期限の6月末までに実現するのは不可能な状況」‥‥そのとおり、臨時株主総会を先延ばししていることからも、現取締役に使命感や熱意が感じられない。

 「鈴木昌チァマンは(中略)『シーズン終了後に除名を決断しないと』と苦渋を吐露した。」としながら「Jリーグは規約の『倒産による除名』で対処する方針だ。」‥‥倒産も解散もしていないサガン鳥栖を除名することができるのであろうか?

 「株主の一部が独断でオーナー企業を招致しようとしてJリーグから却下されたり」‥‥一部株主がメインスポンサー(責任企業)を招致しようとしたもので、出資を検討するため、サガン鳥栖に資料請求した時点で現取締役から拒否されたもので、Jリーグに出資を申請して却下されたものではない。

 「人事や選手起用に口を出したり」‥‥事実が特定されていないので不明であるが、過去の職員や監督・選手の解雇を不当と思っている人は多い。

 「増資した当時の取締役が、減資も説得するのが筋だ」「期限まで残り1週間の時点でも『説得に行く先のリストもなく、どこに行けばいいのか』という状況」‥‥減資を提案した取締役が責任をもって説得すべきではないだろうか!

 「『100%減資の意味がわからない』と言い出す元取締役も」‥‥同記事では100%減資の目的を「累積赤字を相殺し、一部株主の動きを封じる」こととしているが、累積赤字を相殺しても実態は変わらないし、小数意見は多数決で否決できるから理由とはならない。強いて理由を言うなら増資をするために、それまでの株主が累積赤字を減額して責任をとることではないだろうか!当然に問題とすべき経営責任に言及していないことに限界を感じた。

 「古賀社長は松本育夫監督に特定の政党の選挙応援演説を依頼している。」‥‥何が問題か理解できていないのではないだろうか!

 「7月以降の『ロスタイム』に、クラブ存続の大逆転は見られるのか」‥‥大いに期待したい。地域でクラブを支えるために、90%減資、増資(一般公募)により再生を図るべきである。そして、地元行政、財界が主体となった後援会が組織されればサガン鳥栖の明日は明るいと信じている。


 サガン鳥栖の歴史 16.7.3

 最近、新聞に新聞に取り上げられる機会が増えたが、松本サガンの躍進よりも運営会社の100%減資に注目が集中しているようである。一般の人々には異常としか考えられないことがなぜ起きているのかサガン鳥栖の歴史(概略)を振り返ってみたい。

 それまで鳥栖市をホームタウンとしていた1997年1月の鳥栖フューチャーズ(JFL)解散に際し、5万人のチーム存続の願いがJリーグに受け入れられ、特例として1997年2月サガン鳥栖が誕生した。

 当時は、佐賀県サッカー協会関係者や鳥栖フューチャーズ誘致に関係した者で、任意団体を設立し、クラブ組織として運営されていた。J2リーグ参加の条件とされていた法人化を図るため1998年7月株式会社サガン鳥栖(設立時の資本金3千万円)が設立された。

 過去の代表取締役は中村安昭氏(途中まで佐賀県サッカー協会会長を兼務・任意団体の代表も務める。)と現在の古賀照子氏(半年の取締役経験後に就任)の2名である。運営形態としては中村氏時代を前期と後期に区分することができる。

 前期は、サガン鳥栖設立時に中心となられていた佐賀県サッカー協会理事長(当時)坂田道孝氏が病気入院(法人設立直後に他界されたと記憶している。)されたため、法人設立後も集団指導体制(運営会議)で運営が行われていた。

 後期は、M氏が取締役に就任すると、クラブ組織から会社組織に衣替えすべきであるとして、@クラブサガン会員をチームを支えるメンバーから年間チケットの購入者への変更(それまでは年間チケットは会員の特典)した。A運営会議の下にボランティア委員会や専門委員会が設けられていたが廃止された。

 @の対応策としてサガン鳥栖後援会がファンクラブを立ち上げた。Aの結果、チーム運営の主体が特定の取締役に集中した。

 中村代表は健康上の理由等で辞任を表明して、後任を探したが決まらず、究極の策として当時の監督を社長候補含みで取締役としたが、多くの株主やサポーターの反発で監督は取締役を辞任された。

 その結果、誕生したのが古賀代表取締役である。当時の監督が取締役に就任した臨時株主総会で経営のプロと紹介されて取締役に就任し、翌年の定時株主総会で代表取締役に就任したものである。

 古賀体制の1年目は、カメルーンとの練習試合を実現させる功績はあったが、監督解任を早々に発言したり、半年以上も任期を残した取締役全員の退任を発表したり、職員を解雇したり、ボランティアを排除したりして関係者の発言を封じ、さらに、借入金(引継負債)の期限到来による借用書の書き換え要求を拒絶したり、株主の帳簿閲覧請求を拒否するなど会社運営のプロぶりを発揮した。

 2年目は、定時総会で他の取締役全員(6人)が退任し、新規に2人(非常勤)を選任するに留まった。意欲的に外国人を補強するも、来日が遅れたり、テストを実施せず契約した結果、1人を除いて実力を発揮することなく途中帰国となった。2年目は監督選考の失敗、選手補強の失敗からか勝敗にこだわることなく1年が終了した。

 営業努力としては、鳥栖市のスタジアム使用料の免除を受けることができたが、常設看板等も減少し、ユニホームスポンサーもない年となってしまった。チーム存続の危機が叫ばれ、経営改革委員会なるものを立ち上げたものの、改革委員会から来季の運営を行う取締役選任のための臨時株主総会開催を要請されたが拒否、逆に顧問として来季の計画を作成するように要請している。

 次期取締役候補は、来季の計画を策定する時間やスポンサー等と交渉するポストも与えれず、Jリーグの諮問を受ける結果となっている。バックアップすべき立場の人が逆に問題点を指摘するのであれば、JリーグもOkとは言えなかったのではないだろうか。その結果、古賀体制は3年目を迎えている。 

 3年目は、松本監督を迎えチームはこれまでにないサッカーを見せてくれており、新規スポンサーも数社と契約している。古賀社長が提案した100%減資に同意しなかった10人の株主に非難が上がっているが、同意できるような説明がなかったのも事実であり、同意書としても問題がある様式である。

 問題は、今後どうするかであろう。新聞報道を見ると鳥栖市や鳥栖市民の判断を迫る発言が行われているが、株式会社サガン鳥栖が、チームが地域に貢献しているかどうかが問題であり、現状はチーム発足時の理想や理念が失われており、鳥栖市や鳥栖市民にNoと言われてもしかたのない会社になってしまっている。

 古賀体制は、運営や経営に関することを会社に質問する株主を排除するために100%減資を提案しているが、逆に、義理で株主になり、サガン鳥栖に、サッカーに興味がない人が多いことが問題ではないだろうか。株主にマッチデーを送付したり、招待券(今季は2枚)を増配して関心をもってもらうことが必要だと思っている。

 関係者を大切にし、人間関係から再構築しなければならないところが、株式会社サガン鳥栖最大の問題であり、景気も上昇気流に乗りつつあり、不況を口実にしても誰も信用しないであろう。


支援の輪と100%減資 16.7.16

 7月15日の西日本新聞では、「鳥栖タスクチームがJチェアマンを訪問」との見出しで佐賀県が5日に発足した「サガン鳥栖存続タスクチーム」の代表が今後の活動を「公の応援団のような形になると思う」と県の支援姿勢を明らかにしたと報道されている。

 一方、7月16日の佐賀新聞では、「鳥栖市の集客支援本部 チケット仲介1700万円」との見出しで鳥栖市の活動を紹介している。地元行政、財界が主体となった後援会が組織されればサガン鳥栖の明日は明るいと信じている者としては、トンネルの中でマッチの灯りを見たような気持ちである。

 さらに、サポーターが「震源地TOSU!鳥栖スタを揺らせ!」と呼びかける「Rood To 25000」運動が7月16日の西日本新聞に「サガン支援へ動員策」「寄付観戦券で子供招待」(サポーター)との見出しで紹介されている。

 行政、財界、市民の支援を得るためには、、サガン鳥栖ファミリー(運営会社、チーム、支援団体、株主、ボランティア、サポーター)が同じベクトルで動くことが必要であり、また、サガン鳥栖ファミリーの輪を広げることがチームの存続と発展に必要不可欠だと信じている。 

 現取締役は、まだ100%減資にこだわっているようであるが、100%減資して何が残るのであろうか?赤字(債務超過)の株主責任であれば増資を提案すべきであり、意見がある株主には誠意をもって対応し、それでも反対する株主には多数決で対応すべきである。

 第三者割当による増資を行うのであれば、債務超過を解消した後に第三者割当による増資を行うべきだと思っている。そのためには、現株式の95%減資と減資後の100%(以上)増資を提案したい。10株所有の人が増資に応じない場合、会社に対し端株(0.5株)の買取請求を行使することができる。引き続き株主として会社を支えるかどうかは株主の選択に任せるべきである。


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